血液型占いのからくり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 17:55 UTC 版)
血液型占いの根拠とされることの多い血液型性格分類は、科学的に正しいとは認められていない。だが1970年代から2000年代前半にかけて、多くのテレビや書籍が根拠なく分類を広めたため、いまだに血液型と性格の関連性を信じている人も少なからず存在する。 血液型占いや血液型性格分類が知られているのは、日本とその影響を受けた韓国、台湾といった一部地域だけであり、関連商品の売り上げによって経済的な利益が産み出されている。それ以外の地域では運勢(性格)と血液型を関係づける習慣がなく、日本の血液型性格分類は奇妙に思われている。 それにもかかわらず、血液型占いが当たっているように感じる理由として、以下のことが挙げられている。 占いに挙げられている性格の特徴は、誰もが「あ〜、そうかも」と思えるように書かれている。例えば「感情が変化しやすい」「さみしがりや」などがわかりやすい例であるが、誰にでも多かれ少なかれ当てはまるものである。明るい性格の人であっても暗い気分の時があり、しっかりした人であっても、いつでもどこでもしっかりした人でいられるわけではない。そのため、「××型だから○○」という表現を多く並べれば並べるほど、たいがいの人に当てはまる性格分析が出来上がってしまう。このことを心理学では「バーナム効果」と言い、誰にでも当てはまる“あいまいで一般的な性格をあらわす記述”を、自分だけに当てはまる正確なものだと誤解してしまう現象として知られている(占い師が「コールド・リーディング」と呼ばれる話術の中に組みこんでくることがある)。 例えば「A型は几帳面」という思い込みがあると、A型の人が几帳面に行動する場面ばかりに目が向くようになり、A型の人がいいかげんな行動をする場面があっても「めずらしい」の一言で済ませてしまうようになる。このことを心理学では「確証バイアス」と言い、自分の信念を裏付ける情報を重視・選択し、これに反する情報を軽視・排除してしまうという現象として知られている。 例えばA型の人が周りから「A型は几帳面」という誤った情報を何回も聞くと、それを意識した行動を無意識のうちにとるようになってしまう。行動が多少なりとも変わった状態で再び「A型は几帳面だ」という情報が入ってきた場合に、自分でも当たっていると感じてしまう。このことを心理学では「予言の自己成就」と言い、根拠のない予言によって行動が生じ、予言通りの結果になってしまうという現象として知られている。 血液型占い以外にも、様々な占いにおいて同様の現象が生じることが知られている。また、血液型によって性格や運勢を判断し、相手を不快や不安な状態にさせる言動はブラッドタイプ・ハラスメント(通称ブラハラ)と呼ばれ、2000年代になってから社会問題として取り上げられるようになった。
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