血液学的異常
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/22 01:49 UTC 版)
臨床的には、ファンコーニ貧血の最も重篤な症状は血液学的異常である。40歳になるまでに、ファンコーニ貧血患者の98%がなんらかの血液学的異常を示すようになる。しかし、これより年長で死亡したにもかかわらず血液に異常の見られなかった患者の例も数例存在する。症状は進行性に出現し、しばしば骨髄の完全な機能不全に至る。生下時は血算は正常値であるが、異様に大きな赤血球で同定される大球性/巨赤芽球性貧血が最初の異常所見となり、しばしば10歳になる前にみられる(平均発症年齢は7歳である)。10歳代のうちに、50%以上の患者で重篤な汎血球減少がみられるが、これは2つかそれ以上の血球細胞が連銭を形成していることと定義される。たいていの場合は、血小板数が減る(血小板減少症)が好中球減少症に先んじて起こるが、いずれも比較的同じ頻度で生じる。これらの機能異常はそれぞれ、出血や感染の再罹患の危険性を高めやすい。 ファンコーニ貧血は今ではDNA修復に影響することが知られているので、骨髄での細胞分裂について最新の知見でかんがみれば、患者が骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病といった骨髄機能不全症を発症しやすくなるであろうことは想像に難くない。
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