藩札の種類とは? わかりやすく解説

藩札の種類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 21:43 UTC 版)

藩札」の記事における「藩札の種類」の解説

藩札は、和紙木版刷り基本であったが、手書き墨書少なくない仙台藩により天明4年1784年)に発行され仙台通宝のように硬貨形式のものも広義藩札含め場合がある。銅版による藩札は、寛政年間司馬江漢足守藩鐫したのが始まりで、幕末にはほぼ玄々堂独占した銅版作る利点は、入手困難腐食薬品を用いて制作される銅版のほうが、技術的に偽札防止効果があったためである。 藩札用紙流通上の利便性のため、耐用年数上げるために小型丈夫な厚手和紙であるケースが多い。すかしや着色紙、隠し文字など偽造防止などを取り入れたものもあった。各藩偽造防止のために藩札用紙確保には神経使った摂津国有馬郡名塩(現・兵庫県西宮市)で作られ和紙名塩雁皮紙)は、雁皮特殊な土を漉き込むことによって虫食いの害を防ぐことができるため、全国的に普及した藩札兌換保証紙幣であり、藩札交換対象となる物とその量が藩札明示されていた。一般には、札使い銀遣い経済地域である西日本において特に盛んであり、銀との兌換銀札が最も多かった同じく貨幣との兌換藩札としては、金札銭札があった。銀札では、額面に匁(もんめ)を用いることが多いが、より少額額面を示す分(ふん。匁の1/10)を用いることもある。 藩札には貨幣ではなく物品との兌換明示した預り手形現在の商品券に相当)形式のものもあり、この種のものでは米札が多い。特殊な例として、傘轆轤、糸、するめ昆布札などもあった。また、振り手形現在の小切手に相当)の形式で、発行藩及び取引先両替商信用の元で不特定多数流通できるよう藩札用の小型厚手和紙作製したものもあった。 藩領内の特産品専売制推進するため、これら専売品買上げ藩札使用した例もある。家臣倹約目的として、藩士間の贈答用用いることを義務付けられた、本来の贈答品購入費用からすれば比較低額兌換紙幣音物)を発行した藩もあった。 明治初年政府銀通貨の通用停止したため、それ以降、新貨幣制度開始され藩札発行禁止される明治4年までに発行され藩札は、金単位あるいは銭単位額面である。銀単位藩札大量に発行していた西日本諸藩及び東日本諸藩西日本飛地領では、それらの旧札額面部分に金単位または銭単位の加印を施して再発行させた例も多い。 なお、広義藩札調査するときには平成4年3月史料館所蔵史料目録57集として発行された「日本実業博物館旧蔵古紙目録」が、全時代亙る藩札網羅しまた、藩札印刷押印され字句詳細に記録しており、検索並びに同定のための資料として大変有益である。

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