航続距離延長型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 01:39 UTC 版)
「ロッキード コンステレーション」の記事における「航続距離延長型」の解説
ダグラスがDC-6のペイロード増加型貨物輸送機DC-6Aから旅客型DC-6Bを開発して販売したのにともない、ロッキード社は胴体の中央を直線円筒状に5.64 m延長した「L-1049スーパー・コンステレーション」を発表した。 開発期間の短縮へ民間モデルL-049のデモンストレーション試験機を改造し、製造行程の簡略化を行った。これにより懸案だった容積不足は解消したが、L-1049は北米大陸横断便では搭載人員に対するエンジンの出力不足は否めず、また大西洋横断路線便用のL-749は航続距離不足でトランスワールド航空のハブ空港であったニューヨークのアイドルワイルド国際空港からの大西洋無着陸飛行ができなかった(アイルランドのシャノンやカナダのガンダー、グース・ベイなどへ、給油のための着陸が必要であった)。 このためL-1049を更に改良し、1950年にはエンジンをターボコンパウンド付ライトR-3350型972-TC-18DAに換装し出力不足を解消、構造を強化したL-1049Cと貨客混載型L-1049Dを追加した。1951年7月には航続距離を向上させたL-1049Gが導入され、トランス・ワールド航空のみならず長距離路線を多く保有するエール・フランス、ルフトハンザ・ドイツ航空やヴァリグ・ブラジル航空など世界の大手航空会社に導入された。 L-1049Gの特色とされる翼端燃料タンク、通称「チップ・タンク」はオプションで、おもに大洋横断飛行用など長距離飛行用仕様機に装備され、陸上を飛行するL-1049Gや準同型のL-1049Hでは取り付けない機体もあった。 その多くが太平洋や大西洋横断路線、アメリカ大陸横断路線などの長距離かつ需要の大きい路線に、DC-6などともに投入され、その結果1950年代に至るまで「クイーン・メリー」や「ユナイテッド・ステーツ」、「クイーン・エリザベス」などの豪華客船が大きなシェアを占めていた大西洋横断航路や、太平洋横断航路はいずれも衰退に追い込まれた。 また1952年に就航した、世界初のジェット旅客機であるデ・ハビランド DH.106 コメットの設計不良による連続事故と、その後の飛行停止措置、および発注取り消しにも助けられ、その生産機数は伸び続けた。 1956年には、開発中のDC-7Cに対抗して改良型エンジンR-3350 988 TC18-EA-2より大きな翼型に設計を変更し、航続距離をさらに伸ばした最終発展型のL-1649A スターライナーが追加されたが、ジェット旅客機のボーイング707やダグラス DC-8の就航の直前であったこともあり、生産は44機、採用はトランス・ワールド航空、ルフトハンザドイツ航空、エールフランス航空の3社に留まった。 エールフランス航空はL-049、L-749、L-649、L-1049にL-1649Aの全てのモデルを採用した唯一の航空会社である(トランスワールド航空は中古のL-649を取得しているが、新規採用はしていない)。
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