航続距離延長型の開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 00:57 UTC 版)
「エアバスA321」の記事における「航続距離延長型の開発」の解説
A321-100の当初仕様では最大離陸重量は82.2トンで標準航続距離が4,000ないし4,200キロメートルであったが、ほどなくして標準仕様の最大離陸重量が83トンに引き上げられ、航続距離も4,445キロメートルとなった。また、ペイロードの増加目的で最大離陸重量を85トンに引き上げるオプションも追加された。そして1995年4月には、更なる航続距離延長型としてA321-200の開発が決定した。 A321-200では燃料搭載量を増やすため「追加中央タンク」 (ACT) を装備して機体構造も強化された。ACTは貨物コンテナに準拠した形状を有し、床下貨物室内に搭載される。ACTの容量は1個あたり2,900リットルで、A321-200では2個まで搭載できた。ACTを2個搭載して最大離陸重量を93.5トンまで引き上げた仕様の場合、航続距離は5,950キロメートルまで延びた。A321-200のエンジンにはCFM56とV2500の推力増強型が設定された。A321-200の初号機はV2500エンジン仕様で1996年12月21日に初飛行した。 1997年3月20日、V2500エンジンとCFM56エンジンの両仕様のA321-200に対して型式証明が交付された。A321-200の初引き渡しは1997年4月8日に行われ、イギリスのチャーター便航空会社であるエアワールド(英語版)がILFCからのリースで導入した。そして同月11日に、エアワールドによりA321-200の商業運航が開始された。 A321-200の開発と並行して、双発機の長距離運航を可能にするETOPSの認証作業も進められ、1996年5月29日にA321-100が120分のETOPS認証を取得していた。続いて1997年7月28日には、A321-200も120分のETOPS認証を取得した。
※この「航続距離延長型の開発」の解説は、「エアバスA321」の解説の一部です。
「航続距離延長型の開発」を含む「エアバスA321」の記事については、「エアバスA321」の概要を参照ください。
- 航続距離延長型の開発のページへのリンク