自衛官の自殺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:28 UTC 版)
かつては一般人と同水準だったが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}現在[いつ?]は1.5倍となっている。2008年頃から自衛隊員・自衛官の自殺が社会問題化している。2010年には防衛省職員の自殺者が2004年から6年連続で100人を超え、他省庁比5割増という異常事態になっていることが防衛省の調査で判明している。自衛官の自殺のうち特別の事情として「いじめ」の問題があるとされ、遺族が初めて国家賠償請求を起こした1999年(平成11年)11月に当時21歳の三等海曹の自殺(「さわぎり (護衛艦)事件」)の原因も、上司の二等海曹による「ゲジ(スペードの2、役立たずの意味)」と呼ぶ、「海の上ではだれかいなくなってもわからない」その他の暴言の連続があったと遺族は裁判内で主張された。裁判では、事実は認定されたが、一審では暴言は自衛官教育の範囲内とされた。この事件を契機に自衛隊内でのメンタル・ヘルスが研究されるようになったとされるが、自殺者は自衛隊全体で事件後も減っていないうえ、2004年10月にはたちかぜ自衛官いじめ自殺事件をきっかけに、艦内パワーハラスメントが発覚(護衛艦たちかぜ暴行恐喝事件)するなど「いじめ」と自殺の因果関係がクローズアップされる。いじめに関しては、(防衛省として現在統計資料の有る)2003年(平成15年)度から2006年(平成18年)度までに『私的制裁』として92人、『傷害又は暴行脅迫』として291人の者に対して懲戒処分を行っている。 その他、問題となる自殺に、陸上自衛隊の駐屯地内での武器の使用による自殺がある。これは、小銃(ライフル)を連射モードに切り替え、数発(1-9発程度)を命中させて自殺する者が、実包を装填した銃器を携行して歩哨警備を行う火薬庫の警備時に多発している。2004年(平成16年)度以降、2008年8月まで5件の弾薬庫警備任務中の隊員による小銃を使用した自殺、自殺未遂事件が起きている。 なお、2004年から2006年度は3年連続で、25万人の陸海空自衛官の内自殺と断定された自衛官の数は、毎年100人程度に達している(防衛省調)。2006年度に死亡した隊員は陸海空あわせて224人(陸自156人、海自35人、空自33人)。このうち自殺と認定された者は、97人(陸66人、海20人、空11人)で死亡理由の4割を超える。 2015年の政府の答弁書によると、2003年〜2014年度に自殺した自衛官は1044人に上る。年度別では、2005、2006年度がそれぞれ101人と最多で、最少は2014年度の69。10万人当たりの自衛官の自殺者数は、2005、2006年度が38.6人、2014年度が29.1人。警察庁の統計によると日本人全体では10万人当たりの自殺者は20.0人だった。
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