紙上に兵を談ずとは? わかりやすく解説

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紙上に兵を談ず

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/29 15:49 UTC 版)

趙括」の記事における「紙上に兵を談ず」の解説

幼少時より兵学通じており、時には兵法論議で父の趙奢論破したこともあったが、趙奢決し趙括認めなかった。妻が理由尋ねると「戦とは生死かかったのであるのに、括は無造作に論じている。任用されずに済めばよいが、将になったら趙の軍は括によって必ず破滅するだろう」と趙奢返答したという。 長平の戦いにおいて、当初の趙軍は名将廉頗指揮でよく防戦していた。これに対して秦軍2年経っても破ることができず、遠征軍であるが故に徐々に疲労溜まり士気低下していた。戦局打開のために秦の宰相范雎一計案じ、「秦軍老人廉頗よりも、兵法名家たる趙括指揮執ることを恐れている」という流言広めると、趙の孝成王は、兵数では大きく勝るのに積極策を取らない廉頗に対して不満を持っていたこともあり、これを信じて趙括総大将交代させようとする。これを知った趙の重臣藺相如死期迫った病の身を厭わず参内し趙括兵法書丸暗記しているだけの未熟者実戦での臨機応変重要さ理解していません」と諌めたばかりか趙括の母までもが亡夫遺言をもとに「人の命を軽んじる括では、将軍の命に耐えられません」と孝成王直訴した。 孝成王息子栄達阻害する親などいるのか、と思い趙括の母にその理由を問うと、「私は趙奢の妻として、将というものを見ております。夫はいささかも奢ることなく、自ら酒食勧めた部下数十人、友として親しく交わった人は数百人に上りました頂いた恩賞は残らず部下分け与え出陣の命を受けてからは家のことを省みませんでした一方、括は部下へは威張り散らすだけで、下賜品は全て仕舞い込み他人に渡さず日々値上がりしそうな物件ばかり見繕ってます。こんな様ではとても父に及びません」と述べたが、それでも孝成王は容れなかった。「では、どうしても括を用いられるのならば、どんな結果でも一族などに罪を及ばせぬように願います」との趙括の母願いだけは認めた前線到着した趙括は、廉頗戦法支持する将達を更迭し、兵法書通りに兵を配置し直した。そして持久戦法から一転して秦軍対し攻勢仕掛けた。しかし秦も、趙の総大将趙括代わることを聞いて密かに総大将王齕から歴戦勇将である白起将軍変え待ち構えていた。そして趙軍は白起偽装撤退戦術にかかり、深追いして軍勢伸びきった所を伏兵分断され指揮系統失って混乱に陥り大敗喫する。さらに秦軍包囲によって糧道断たれた趙軍40飢え瀕し味方殺しあって人肉奪い合う窮状陥った趙括僅かに残った健常な兵を率いて秦軍への突撃敢行したが、あえなく矢で射殺され疲弊極み加えて統率失った趙軍は降伏した。 しかし秦も国力使い切っており、20万人もの投降兵を養うだけの食料無く連れ帰ることもできないかといって帰せ恨みをもって向かってくるだろう、と白起判断によって240人の少年兵残しすべてが生き埋めにされた。このため趙は国力大幅に低下し、その滅亡早めることになる。

※この「紙上に兵を談ず」の解説は、「趙括」の解説の一部です。
「紙上に兵を談ず」を含む「趙括」の記事については、「趙括」の概要を参照ください。

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