紙メディアなどに使用されているもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:25 UTC 版)
「コピーガード」の記事における「紙メディアなどに使用されているもの」の解説
紙幣、一部の公文書や定期券など、複製や走査(スキャン)などで取り込んでの偽造が問題になりえる紙メディアには、ホログラムや特定のパターン(線幅が細かいため意図的にモアレが出やすい、コントラストが変化すると潜在化していた模様が顕在化するなど)を配することによって、偽造を困難にさせる機構が導入されている。特に紙幣には、紙の厚さや質を変えて光にかざすと特定の模様がうかびあがる「透かし」という偽造防止技術が使われている。また、スキャナでは検出しにくい特定の蛍光色インクを使った印刷技術が、日本の全ての紙幣に導入されている。その他、詳細は紙幣#偽造防止技術の項を参照のこと。 印刷物に人間の目には見えない、または気にならない程度の特定のパターンを埋め込み、コピー機側でそれを読み取ることでコピーを禁止する技術などもある。元となる偽造検出技術をオムロンが開発した、ユーリオンと呼ばれる紋様は5つの点の配置パターンから構成され、おもに各種紙幣などこの紋様が含まれている画像をスキャンしようとすると、コピー機が動作を停止する。またAdobe Photoshopなどの画像編集ソフトにおいては、印刷動作が禁止されるなどの制限がかかる。 紙メディアのコピーガードの一例として、コンビニエンスストアなどで発券される乗車券や入場券、一部の自治体が発行する書類などには、複写機でコピーを取ると、コピーの方に“複写”や“無効”などの文字が現れるような仕掛けを設けている場合がある。これは白と黒で表現した中間調の地に白と黒の中間色で文字を埋め込んでも(逆の組み合わせでも良い)、人間の目では識別できないが、一般のコピー機のγ特性が人間の視覚とは違う為にコピーをとると埋め込んだ文字が見えるようになる為である。従って、厳密にγ特性を管理している複写機や、スキャナとカラープリンタの組み合わせでは埋め込んだ文字は現れない場合がある(この脆弱性は消費者金融業者には広く知れ渡っており、住民票の偽造を行ったとして摘発された業者もある)。
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