紙パック方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 13:43 UTC 版)
吸引されたゴミを、袋状になった紙パックで濾し取る方式。英語ではこの袋を 「ダストバッグ dust bag 」と言うが、日本ではパックと呼んでいる。 結論から言うと、後から登場したサイクロン式との比較で、紙パック式の諸欠点(特に消耗品の紙パック購入たびにかかるコスト、紙パック購入のために投入しなければならない手間・労力・時間、紙パックの備蓄を切らすわけにはいかないという心理的なストレス など)が意識されるようになり、不人気となり、ほとんど売れなくなった。 長所は紙パックがゴミ袋とフィルターの役割を兼ねているため、面倒なフィルター掃除が不要なこと、またゴミ捨ては紙パックごと捨てればよいことである。また、紙パック内でゴミが自然に圧縮されるので、ゴミ捨ての回数が少なくてすむ長所がある。 短所としては、専用の紙パックの(家庭内の)備蓄が切れると、全く掃除ができなくなる、ということである。「常に紙パックの予備を備蓄しておかなければ、いざという時に非常に困った事態に陥る」とユーザに心配をかけ、余計なストレスをかける。消耗品の購入のためにわざわざ貴重な時間や労力を割かせられるのもユーザにとってはたまらない苦痛である。取付部の構造が特殊な紙パックの場合その供給が途絶えて掃除機自体が使えなくなるのではないかと心配するのもストレスになる。紙パックは使い捨てのため、購入しなければならず、購入のたびに紙パックのために余計な出費を強いられる。また、(紙パックのコストを考慮すると、ついつい紙パックを一杯にするまで使うので)すでに吸い込み紙パックに入っている状態のゴミの臭気(くさい臭い)が掃除機の排気口から部屋中に広がる。 またゴミが溜まってくると内面に付着した微粒子によって吸込力が落ちるという欠点も指摘されている。(ただし、掃除機の内部機構が自動で紙パックを叩くなどしてホコリを落とし、ほぼ満杯まで吸引力を維持できる製品も一部で出ている(いた)。)なお、紙パックは純正品を使用しない場合、メーカー保証の対象外になる場合が多い。これは、様々なメーカーと機種に対応した廉価な汎用紙パックの性能が一定しないためである。 殆どの掃除機には「紙パック交換サイン」がホースの手元操作部に付いており、「強モードで運転しノズルを床面から浮かす」ことで紙パック交換時期を判別可能(交換時期になると点滅表示。径が細い隙間用ノズルを付けて運転すると正しく表示されない)。 上位モデル(パナソニックAMC-HC12など)はシャッターが付いており、ゴミ捨て時にミシン目よりつまみを切り離し上に引き上げることで紙パックの穴(ゴミ吸引口)が塞がり、ゴミこぼれが防げるようになっている。 近年は専用の紙パックを購入せずともティッシュペーパーで代用できるタイプのものもある。 なおゴミ漏れによるモーター故障を防ぐため、掃除機本体の蓋は「使用機種に適合した各メーカー純正紙パックが正しく取り付けられていないと閉まらない」構造になっている。
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