サイクロン方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 13:43 UTC 版)
現在、サイクロン方式の掃除機は多数のメーカーが製造・販売している。 サイクロン掃除機の長所は、専用の紙パックを必要としないという利便性と、それのために毎度出費しなくても良いという経済性である。 欠点としてはゴミ捨ての頻度がキャニスター式より多めになることである。なおフィルターの水洗浄は半年や1年に1度行えばよいので、ほとんど何の問題にもならない。ゴミ捨ての時にはビニール袋(ゴミ袋)などで(フタが開く部分あたりを)覆うようにして行えばホコリも舞わない。 かつて「サイクロン方式の吸込仕事率は紙パック式掃除機のおよそ1/3である」とされていた時期もあった。しかし、2015年8月にパナソニックが、ダイソンと同等の粉体分離方式の MC-SR530G / MC-SR33G を投入。従来の日本の紙パック掃除機の水準の吸引仕事率(200Wだが、従来日本においては1000Wが標準とされてきた消費電力の方を720Wに低減させている)を実現した。なお、この2機種の発売により、ダイソンの粉体分離方式の独占は終わっている。 ダイソンの掃除機は「遠心分離だけで埃をほぼ完璧に分離してきれいな空気を排出する」とも。わずかに取りこぼした埃を後段のフィルターで濾し取る仕組みであるから、フィルターの目詰まりによる吸引力の低下は紙パック方式よりも緩慢であるとダイソン社は主張している。2006年に行われた日本の国民生活センターのテストでは、ダイソンのサイクロン掃除機はダイソン社の主張通り紙パック式(50gのごみを吸わせた後で13%低下)よりも吸引力の低下は緩慢(50gのごみを吸わせた後で7%低下:約180W →約167W)だが、ダイソン以外のサイクロン掃除機は「掃除を重ねて行くと吸込力が紙パックと比べて低下しやすい(50gのごみを吸わせた後で約21%~33%低下:438~504W→338W~382W)」とのテスト結果が出ている。フィルターの水洗浄は、西洋の環境で使う場合は月に一度、日本の環境で使うならばおよそ半年に1度で良いとダイソン社は主張している。なお、パナソニックも排気フィルター清掃間隔は半年から1年程度としている。 歴史 本来「サイクロン」とは1886年にアメリカのモース(M.O.Morse)によって発明された粉体分離方式を指す言葉で、原理はコーン状の筒の中で空気を回転させ、遠心力によって空気と粉体を分離するものである。この方式を1983年にイギリス人の発明家ジェームズ・ダイソンが掃除機に応用した。以来、ダイソンの掃除機の商業的な成功の影響で、サイクロン方式といえば、まずダイソン社の掃除機のことであるとされることが多くなった。
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