第五巻:指輪戦争
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ガンダルフとピピンはゴンドール王国の都ミナス・ティリスに着き、都の主で執政のデネソールに、冥王サウロンの攻撃が都に迫っていることを知らせる。ピピンは、デネソールの亡くなった世継ぎの息子ボロミアへの借りを返すために、デネソールの近衛兵として仕える。塔の護衛の制服を纏ったピピンが見守る中、モルドール軍が近づくにつれてデネソールは狂気に落ちて行く。ボロミアの弟のファラミアは敗残兵を率いて戻るが、オークの大群から旧都オスギリアスを守る絶望的な作戦を命令される。オスギリアスはすぐに圧倒され、重傷を負ったファラミアはデネソールのもとに運ばれる。民は敗れそうに見え、残るただ一人の息子は瀕死となり、絶望の中でデネソールは自分と息子の火葬の準備をさせる。ミナス・ティリスは20万を遥かに超えるオークの軍に包囲される。 一方、ローハンでは、セオデンとロヒアリムはサルマンの軍と戦ったヘルム峡谷の角笛城の戦いの疲れを癒している。アラゴルンはパランティーアを通してサウロンと対決し、モルドール軍に対する古の戦いでイシルドゥアに助力しなかったために呪いを受けた、誓言を破りし死者達の軍を味方につけようと、山の中の死者の道に向かう。レゴラス、ギムリ、北のアルノールの野伏達、そしてエルロンドの息子達エルラダンとエルロヒアも同行し、一行は出発する。アラゴルンが絶望的な使命に向かうのと同時に、セオデン王はロヒアリムの騎馬軍団を率いてゴンドールの助勢に向かう。メリーは従軍を希望するも、幾度もセオデンに却下される。だがロヒアリムのデルンヘルムがメリーを自らの馬に載せ、戦いに連れていく。森の野人の一族に助けられ、セオデンはオークが待ち伏せする街道を避けて森の中の道を行き、密かにミナス・ティリスに到達する。 恐るべきアングマールの魔王に率いられたモルドール軍はミナス・ティリスの門を打ち破るが、到着したばかりのローハン軍に圧倒される。そこに黒い帆を張った黒い船隊が現れる。モルドール軍は援軍と思い喜ぶが、王の旗が掲げられるのを見て驚愕する。アラゴルンは死者の軍を使ってウンバールの海賊の軍を破り、捕らわれていたゴンドール人を連れ帰っていたのである。続くペレンノール野の合戦で、アングマールの魔王は、デルンヘルムと名乗っていたセオデン王の姪エオウィンとメリーによって斃される。こうして、セオデン王を含む多くのローハン兵やゴンドール兵という大きな犠牲を払いながらも包囲軍は退けられる。デネソールは自分とファラミアを生きながら火葬しようとするが、ガンダルフとピピンはファラミアを救い出す。デネソールはミナス・ティリスのパランティーアを使ったことを語り、状況は絶望的であると言う。 ガンダルフは、デネソールが絶望のあまり何度もパランティーアを覗いていたことを知る。サルマンと異なり、気高い使命感と強い意思を持つデネソールはサウロンの僕になることはなかったが、絶望感を深められていた。さらに、デネソールはアラゴルンを新たな王として受け入れないと言い、炎の中で自らを滅ぼす。ファラミアは療病院に運ばれ、アラゴルンの治療を受ける。アラゴルンは続いて、魔王に傷つけられたメリーとエオウィンを治療する。サウロンが再攻撃の軍を整えるのは時間の問題であるため、ガンダルフとアラゴルンは、フロドとサムがサウロンの眼に見つからずに滅びの山にたどり着いて一つの指輪を破壊できるように、黒門を攻撃しモルドール軍を引きつける陽動作戦を決断する。 ガンダルフとアラゴルンはモルドールの黒門に軍を率い、サウロン軍を攻める。“サウロンの口”を自称する使者が黒門から来て、フロドのミスリルの鎖かたびら、エルフのマント、そして短剣を見せて、フロドの釈放と引き換えに降伏と服従を求める。だがガンダルフは使者が嘘をついていることを察し、品々を奪い取り、降伏を拒否する。戦闘が始まり、ピピンはトロールを殺すが、その体の下になり、意識を失うところに大鷲たちが到着する。
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