移転した競艇場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 01:01 UTC 版)
競艇開始から約10年を経過した昭和30年代後半には、各競艇場の施設が老朽化し不備な点も生じていたため、施設の改善が問題視されるようになった。このため、運輸省の勧奨により同省、全国モーターボート競走施行者協議会、全国モーターボート競走会連合会、日本モーターボート選手会の代表に学識経験者等をもって構成する「施設改善調査会」を設置し、各場の実態調査と改善を促進することとなり、1963年(昭和38年)3月から5月にかけて23場の調査を行い、必要な改善勧告を行った。これにより、昭和40年代には各地で競艇場の施設改善が活発化し、開設当初、河川を利用して設置された競艇場の多くは、この勧告を受けて、より公正安全な競走が実施可能な場所へ移転する計画が具体化し、1968年には4月に浜名湖、7月に三国、1969年には4月に芦屋、6月に津の各競艇場がそれぞれ移転、新設された。 浜名湖競艇場 静岡県浜名郡舞阪町(現・浜松市西区)の弁天島乙女園に存在していたが、レースコース近くに一般航路があり、漁船、遊覧船等の通行があること。浜名湖特有の流砂の障害に対して、レースコースの水深維持が困難であることから、施設改善調査会の勧告を受け、1968年3月19日の開催を最後として閉場した。なお、現在の競艇場施設は1968年4月3日に竣工式を行い、翌4月4日より使用されている。 三国競艇場 福井県坂井郡三国町(現・坂井市三国町)の九頭竜川河口の河川敷地に存在していたが、1966年4月に九頭竜川が一級河川に昇格することに伴い建設省より撤去移設を指示されたため、1968年6月30日付で廃止された。なお、現在地の競艇場施設は1968年6月28日に完成し、同年7月9日より使用されている。 芦屋競艇場 福岡県遠賀郡芦屋町の遠賀川河口に存在していたが、1966年4月に遠賀川が一級河川に昇格することに伴い建設省より撤去移設を指示されたこと、1967年1月運輸省告示第27号による「モーターボート競走場の構造及び施設の規格」に合致した施設とする必要があることから現在地に移転することとなった。1969年3月に完成し、同年4月10日より使用されている。 津競艇場 三重県津市の岩田川河口に存在していたが、漁船の航行、干潮浮遊物等種々の問題があったこと、ファンの増加に従って狭くなってきたこと、「モーターボート競走場の構造及び施設の規格」に合致した施設とする必要があることから現在地に移転することとなった。1969年6月29日より使用されている。 唐津競艇場 佐賀県唐津市の松浦川河口付近に存在していたが、市街地に隣接し、施設が狭く、騒音や交通渋滞の問題があったため、昭和40年代中頃から移転計画が進められ、松浦川河畔の現在地に移転することとなった。1975年3月13日より使用されている。
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