皮膚
『なぜ神々は人間を作ったのか』(シッパー)第5章「アフリカの黒人と白人」 アダムとエバ(=イヴ)は美しい黒人であり、美しい園に住んでいた。彼らには2人の子供、カインとアベルがいた。ある日、カインはアベルを殺して、身を隠した。神は、「カイン! 私に見えないと思っているのか!」と怒った。神の前に出て来たカインは、恐怖のあまり身体中が真っ白になった。それが最初の白人だ(シエラレオネ、ピジン族)。
『人の始まり』(昔話) 火の神さんが泥の人形を作り(*→〔土〕1)、お天道さんが昇る時に息を吹き込んだ。朝から10時頃まで干したら、黒人ができた。昼から3時頃まで干したのは、黄色人種になった。晩方に干したのは白人になった(鹿児島県吉野町)。
『三四郎』(夏目漱石) 東京へ向かう汽車が浜松に止まった時(*→〔空間〕3)、窓の外に4~5人の西洋人が見えた。1組は夫婦らしく、女は真っ白な着物でたいへん美しい。三四郎は、一生懸命に見惚(と)れていた。広田先生が「どうも西洋人は美しいですね」と言った。「お互いは憐れだなあ。こんな顔をして、こんなに弱っていては、いくら日露戦争に勝って、一等国になっても駄目ですね」。
*黄色人種のみすぼらしさを実感する→〔自己視〕1gの『倫敦消息』(夏目漱石)。
*西洋女性の肌の白さを、月光を浴びた白狐に見立てる→〔温泉〕5の『白狐の湯』(谷崎潤一郎)。
『黄色い顔』(ドイル) エフィの夫はアフリカ人の血を引いており、2人の間に生まれた娘は皮膚が黒色だった。やがて夫が病死し、エフィは白人男性グラントと知り合って再婚するが、黒人の娘がいることを打ち明けられず、娘に黄色い仮面をかぶせ、近所の家に隠す。グラントは遠方から異形の人物を見て驚愕し、ホームズに調査を依頼する。
『タイタス・アンドロニカス』(シェイクスピア)第4幕~第5幕 ゴート族の女王タモーラは、ローマ帝サターナイナスの皇后になるが、彼女には秘密の愛人・ムーア人のアローンがいた。やがて皇后タモーラが産んだ王子は、黒い身体を持っていた。アローンは生き埋めの刑になった〔*皇后タモーラは、将軍タイタスに殺された〕。
『聊斎志異』巻11-431「黒鬼」 膠州(山東省)の総鎮が、黒奴を買った。これに娼妓をめあわせると子供ができたが、皮膚の色が白かった。黒奴は「私の種ではない」と思って、子供を殺した。ところが、その骨を調べてみたら黒かったので、黒奴は後悔した。
★4.皮膚病。
『皮膚と心』(太宰治) 新婚の妻である28歳の「私」は、左の乳房の下に、小豆粒状の吹出物を見つけた。お風呂へ行ってタオルでこすったら、たちまち広がって、翌朝には頸も胸もおなかも、身体中、トマトがつぶれたようになった。「私」は死んでしまいたい。優しい夫は、自動車で「私」を有名な皮膚科の病院へ連れて行き、お医者は「すぐ治ります。注射しましょう」と言った。注射してもらって「私」たちが病院を出た時、もう手の吹出物は治っていた。
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