異電圧区間直通用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/11 02:10 UTC 版)
現行 東日本旅客鉄道(JR東日本) - 交流25,000 V/20,000 V新幹線E3系電車(東北新幹線・山形新幹線) 新幹線E6系電車(東北新幹線・秋田新幹線) 新幹線E926形電気軌道総合試験電車ただし、これらの新在直通の電車(いわゆるミニ新幹線)は電圧を切り替えるための特別な回路を持たず、搭載している変圧器も20 kVと25 kVの両電圧に対応しているため、新在共通の主回路でも在来区間での5,000 Vの電圧低下をマージンとして許容できる設計になっている。在来線区間では新幹線区間ほどの性能を要求されないからこそ可能な方法であり、理にかなった設計であるといえる。運転士はデッドセクション通過時にノッチオフするだけでよく、ほかに特別な操作は必要としない。また、補助電源に使用される変圧器の3次巻線には、架線電圧が切替わった際、切替用タップを作動させて3次巻線の電圧変動を抑える3次電源タップ切替方式を採用する。 E001形「TRAIN SUITE 四季島」4電源(20 kV 50/60 Hz・25 kV 50 Hz「青函用」・DC1500 V)に内燃機関でも走行可能。 箱根登山鉄道 - 直流1,500 V/750 V(鉄道線)鉄道線用の全車両2006年3月18日以降は、営業運行は750 V電化の箱根湯本駅 - 強羅駅間のみで、1,500 V区間は入生田駅にある車両基地への回送のみ。 日本貨物鉄道(JR貨物) - 交流25,000 V/20,000 VEH800形電気機関車(津軽線・海峡線・道南いさりび鉄道線)北海道新幹線開業に伴い、軌道を共用する海峡線(青函トンネル区間)が昇圧されたことによる。主回路は新在直通用と同様25 kV(こちらも3次巻線タップ切換)として海峡線で本来の性能を発揮できるようにしている。在来線20 kV区間(津軽線・江差線→道南いさりび鉄道線)では出力が76 %になり、牽引力は変わらないものの、高速域の性能が低下する。 過去の例 JR東日本 - 交流25,000 V/20,000 V新幹線400系電車(東北新幹線・山形新幹線) 新幹線E955形高速試験電車(東北新幹線・秋田新幹線) クモヤ743形電車 名古屋鉄道 - 直流1,500 V/600 V3600系電車(1,500 V用車両を改造。1960年代当時、600 Vだった支線への直通用) モ600形電車 - モ800形電車 - モ870形電車 - モ880形電車(600 V主体で設計し1,500 Vに対応。各務原線・田神線・美濃町線直通車両) 近畿日本鉄道 - 直流1,500 V/600 V20100系 18200系・18400系電車20100系は新造当時橿原線のうち、大型車の入線が可能であった八木西口駅 - 橿原神宮駅駅(当時)間への入線の可能性を見越してのもの。18200系は新造当時600 Vだった京都線 - 橿原線と大阪線系統直通用。18400系は京都線系統の1,500 V昇圧を控えた対応車として製作された。 国鉄 - 直流1,500 V/600 V(伊豆箱根鉄道乗入対応、ただし主回路はそのままであり、600 V区間では本来の性能は発揮できない)80系電車 京浜急行電鉄 - 直流1,500 V/600 V230形 デト20形1,500 Vの湘南電気鉄道(現在の京急本線黄金町以南など)と600 Vの京浜電気鉄道(同以北など)の直通運転用として複電圧対応となっていた。 和歌山電鐵 - 直流1,500 V/600 V2270系南海電気鉄道時代の導入当時600 V電化であった貴志川線から、1,500 V電化の南海本線内での自力回送のために複電圧対応とされている。1,500 V区間では直列段のみを使用して走行する。なお、貴志川線は和歌山電鐵移管後の2012年(平成24年)4月に1,500 Vへの昇圧が行われ、複電圧対応構造を生かして引き続き使用されている。
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