番組の実態
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この番組は制作者によってドキュメンタリー風に構成された、いわゆるモキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー、偽ドキュメンタリー)であり、進行役のティム・ブリントン以外は、番組レポーターも含めて全て俳優が演じる人物である。当時アングリア・テレビジョンが毎週制作していた「サイエンス・リポート」が1977年4月1日で最終回を迎えることから、制作陣はエイプリル・フール向けの嘘ドキュメンタリーを最終回とすることにした。番組の最後に登場人物の配役や「4月1日」というキャプションが流れることからエイプリルフール向けのフィクションであることが判るようになっていたが、アングリア・テレビジョンは4月1日の放送枠を確保することができず、6月になってからようやく放送された。放送直後から視聴者の電話がアングリア・テレビジョンに殺到した。 翌1978年には、この番組の脚本を基にした小説版「第三の選択」をレスリー・ワトキンス(Leslie Watkins)が著してSphere Books Ltd,より出版している。小説版では、「滅びに向かう地球から安全な新天地の火星へ移住する」という極秘の触れ込みで選ばれた僅かなエリート層の人間が火星に移住するが、それとは別に地球から無理矢理拉致された数多くの一般市民が、隔離された地球外環境で「部品」または「一括託送貨物」と呼ばれて実質的に奴隷的境遇に置かれるという衝撃的な内容である。また、第1の選択肢は成層圏で核爆弾を爆発させ、汚染を宇宙へと逃がす。第2の選択肢は地下に都市を築いて選ばれた人類のみが移住するとされている。1981年には梶野修平が訳した日本語版が『第3の選択―米ソ宇宙開発の陰謀』の題でたま出版から出版されている。たま出版ではその後、内容が直接関係しない本にも題に「第3の選択」を入れて出版している。2007年10月にはDVDも発売されている。 日本ではフジテレビが1978年4月6日木曜の帯番組が無い23時55分から放送した。新聞のテレビ欄では『地球滅亡の危機!「ロンドンTVパニック」』と題されている。4月15日の読売新聞読者によるテレビ感想欄である「放送塔」には、番組を見て衝撃を受けた旨の感想とフジテレビ編成部による回答が載せられている。回答によると、番組の終わりに4月1日にロンドンで放送された旨の断りを入れてあったものの、局に問い合わせが殺到したという。 1982年1月21日木曜ゴールデンタイムには、日本テレビの『UFOと米ソ宇宙開発の陰謀!人類火星移送計画が極秘裡にすすめられている!?』と題した特別番組の中で放送された。読売新聞の番組紹介では「BBCが製作放送した科学ドキュメンタリー」と虚偽の説明がされている。構成・脚本・演出は『木曜スペシャル』企画の一つ「矢追純一UFOシリーズ」の矢追純一、司会は小林完吾(当時:日本テレビアナウンサー)、ナレーターは矢島正明。
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