男性の待遇に対する意見・行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 20:14 UTC 版)
「日本の女性専用車両」の記事における「男性の待遇に対する意見・行動」の解説
女性は女性専用車両で痴漢被害を防げるが、すべての女性客が女性専用車両に乗っている訳ではない以上、男性は痴漢冤罪を完全には防げない事や、男性だけが一方的に女性専用車両導入のデメリットを受ける事、男性が被害者になる性犯罪の対処策にはなっていない事などを挙げ、「男女平等の社会に反する男性差別」と不公平感を訴える意見もあり、現に台湾では女性専用車が男性差別であるとされて3ヶ月で廃止になっている(後述)。このため、捜査方法の改善が模索され、テレビなどで周知される事もある。痴漢を行う男女平等が謳われる現代社会と女性専用車両との「かすかな違和感」と一部の男性の「陰湿」さの両方を指摘し「女性の隔離で一部男性のゆがんだ品性そのものが改まるとの保証はない」という女性の評論も存在する。 男性への性犯罪については、総じて頻度、立件数、推定される暗数の点で、女性への性犯罪と比較して著しく少ないと計測される研究がある。また、女性の性犯罪被害者数は暗数も大きいとする調査研究もある。 女性専用車両に反対する者の中には「任意乗車」として抗議する者もいる。任意乗車とは、女性専用車両の存在に異議を唱えている男性が、その意思を鉄道会社や利用者にアピールするために女性専用車に乗車することである。この抗議活動に関しては、2008年に、乗車後に鉄道員・駅長からの移動の説得に応じず、この模様を撮影していたことを警察官から止められたとして、「女性専用車両に男性乗車可能の表示」と「女性専用車から排除されたことに対する賠償金の支払い」を求めて訴訟を起こしたこともあるが、その際の判決は「健常な成人男性が他の車両に乗車することで目的地に移動することができなくなるわけではないので、女性専用車の設定・表示は違法とはいえない」・「女性専用車両の目的からして、男性が乗車することによって生じる不安を取り除くための鉄道会社職員による降車の要求と行動は不当とはいえない」と東京地方裁判所から敗訴の判断が出ている。 しかし、その後も女性専用車両をめぐる事件・トラブルが発生している。 2017年3月 - 名古屋市営地下鉄東山線の約20駅と名古屋市交通局に、「女性専用車両を廃止しろ」という内容の脅迫文と、ガソリンとみられる少量の液体が入った容器が郵送で届いた。 2018年2月16日午前8時40分頃 - 東京メトロ千代田線国会議事堂前駅で、女性客から「女性専用車両に男性がいる」との申告があり、駅員らが男性3人に降りるよう説得したが男性らは応じず、列車は暫く停車した後男性らを乗せたまま出発し、男性らは3駅先の表参道駅で降車した。この騒動の影響で千代田線で最大約15分の遅延が生じた。男性3人は「女性専用車両は男性差別である」と主張する団体のメンバーだった。また、5日後の22日にも京浜東北線で同様のトラブルが起きていた。 2018年4月24日、「任意乗車」に反対する市民団体が東京地下鉄(東京メトロ)に対し、男性の乗車を明確に禁止する要望書を提出した。
※この「男性の待遇に対する意見・行動」の解説は、「日本の女性専用車両」の解説の一部です。
「男性の待遇に対する意見・行動」を含む「日本の女性専用車両」の記事については、「日本の女性専用車両」の概要を参照ください。
- 男性の待遇に対する意見・行動のページへのリンク