男性の名としてのアブラハム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 00:18 UTC 版)
「アブラハム」の記事における「男性の名としてのアブラハム」の解説
語源となった『創世記』に出てくる人物アブラハム(אַבְרָהָם、Abraham)は若い頃はアブラム(אַבְרָם、Abram)と名乗っていて(『創世記』第11‐17章)、アブラムの意味は日本語にすると「父は高い」というようなニュアンスでこれ自体は生まれの良さを指し、アブラ「ハ」ムの様に「ハ」をつけて伸ばすのは中東のアラム語などで普通に見られる変化であるが、『創世記』の第17章では「多くの国民(たみ)の父」(多く=ハモーン、父=アブ)という意味だとして、彼の子孫繁栄のために神が直々に改名されたものだとされている (アブラムとアブラハムの別の日本語訳の例「アブラム=高められた父」と「アブラハム=おおくのものの高められた父」)。 アブラハムの名は、ユダヤ教、キリスト教などを支持する人々の間では世界的に、非常によく男性の名として使われている。イスラエルに住むユダヤ教徒でその名を持つ人は非常に多い。また、イスラム教社会でも、イブラーヒームの名で男性の名前としては一般的な存在となっている。 ヨーロッパで専らカトリックだけが布教されていた時代には、その名は現代ほどには使われていなかった。プロテスタントが生じてからは、カトリックの聖人と同じ名になることを避けて旧約聖書の人名を用いることが多くなり、近世になりアブラハムと名付けられた人はいくらか増加した。 アメリカ合衆国においては、ユダヤ人の数も多く、また元々人種的にはユダヤ系でありながら現在はプロテスタント系の中でも特に旧約聖書とイスラエルを重視する教会に所属している人、あるいは人種的にはユダヤ人とは関係ないがプロテスタント教会に属する人、などが入り乱れており、結果としてその名をつけている人はかなり多い。第16代大統領リンカーンのファーストネームもアブラハム(Abraham:英語読みではエイブラハム)である。英語における短縮形は「エイブ」。
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