男性の出生力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 21:11 UTC 版)
一部の研究は、高齢男性ほど精液の量・運動量・形態が減少することを示唆している。女性年齢を統制した研究で、30歳未満の男性と50歳以上の男性の比較では妊娠率が23%-38%の間で相対的に減少することが判明した。精子の数は年齢とともに減少し、50-80歳の男性は20-50歳の男性と比較して精子の産生ペースは平均75%で、精巣の精細管に含まれている成熟した精子の量に大きな差がある。 20-39歳男性では、精細管の90%に成熟した精子が含まれる。 40-69歳男性では、精細管の50%に成熟した精子が含まれる。 80歳以上の男性では、精細管の10%に成熟した精子が含まれる。 男性の出生率低下は、生活習慣・環境・心理的要因など様々な要因の影響を受ける。 一部の研究は、高齢な父親の子供ほど健康上の問題に関するリスクが増えることを示唆しているが、明確な関連は証明されていない。イスラエルの大規模な研究では、40歳以上男性の子供が自閉症スペクトラム障害を持つ可能性が30歳未満男性の時の5.75倍になることが示唆された(出生年や社会経済的地位や母親年齢は統制済み)。父親年齢の増加は統合失調症と直接相関することが示唆されているものの、証明されていない。 オーストラリアの研究者は、肥満が精子に微細な損傷を引き起こし、健康な妊娠を阻害する可能性を示唆する証拠を発見した。彼らは、父親が太りすぎの時に受精成功の可能性が40%低くなったと述べている。 アメリカ出生学会(現:アメリカ生殖医学会)は、精子提供者に年齢制限50歳以下を推奨しており、イギリスの不妊治療院の多くが40歳または45歳以上の男性からの寄付を受け付けないとしている。
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