独立後の文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/12 22:34 UTC 版)
独立後、ロマン主義がホセ・ホアキン・モラによってペルーにも導入された。フェリペ・パルド・イ・アリアガが独立後の諷刺文学に名を残した後、ペルーの小説の歴史は、ナルシソ・アルステギの『オラン神父』(1848年)によって始まりを迎えた。リカルド・パルマは地方の歴史や風俗に取材した『ペルー伝説集』(1872年 - 1893年)を著し、現在もペルーで最も敬愛されている作家となっている。女流作家のクロリンダ・マット・デ・トゥルネルは『ペルー伝説集』に倣い『クスコ伝説集』(1884年)を著した後、インディヘニスモ小説の先駆となった『巣のない鳥』(1889年)を著している。 ニカラグアのルベン・ダリオに起源を持つモデルニスモ文学においては、無政府主義に影響を受けたマヌエル・ゴンサレス・プラダが労働運動と連帯してペルー近代史上初のインディオの理論的擁護を行ったが、プラダは『小文字集』(1901年)などの詩集も残している。その他にもペルーのモデルニスモでは詩人ホセ・サントス・チョカーノや詩人ホセ・マリア・エグーレンが活躍した。 詩人セサル・バジェッホは第一集の『黒い使者』(1918年)でモデルニスモからキャリアをスタートしながらも、第二集の『トリルセ』(1922年)では、モデルニスモと縁を切り、外国資本の鉱山と対決した後虐殺されるインディオを描いた『タングステン』(1930年)でインディヘニスモに歩み寄った後、1930年代には共産主義に傾倒した。1920年代にはラテンアメリカにおける独創的なマルクス主義解釈者となったホセ・カルロス・マリアテギが『ペルーの現実解釈のための七試論』(1928年)でインディヘニスモに大きな影響を与えたことも特筆に値する。 シロ・アレグリアは『黄金の蛇』(1935年)、『餓えた犬』(1938年)に続く、『世界は広く無縁なもの』(1941年)で白人地主やペルー社会一般と対決するインディオを描き、インディヘニスモ小説にその名を留めた。ホセ・マリア・アルゲダスも『ヤワル・フィエスタ』(1941年)では同様にインディヘニスモ的な世界を描いたが、続く『深い川』ではインディオの内面の魔術的な世界と自らをモデルにした白人少年の断絶を描き、最後の長編小説となった『すべての血』(1964年)ではアンデスの農村の社会学的な分析と、インディオ的な語法が作品に反映されている。 マリオ・バルガス・リョサは『都会と犬ども(スペイン語版、英語版)』(1963年)、『緑の家(スペイン語版、英語版)』(1966年)、『世界終末戦争(スペイン語版、英語版)』などの作品を著し、コロンビアのガブリエル・ガルシア=マルケスとともにラテンアメリカ文学ブームを牽引した。
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