清代・広州の水上遊郭とは? わかりやすく解説

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清代・広州の水上遊郭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/08/02 02:20 UTC 版)

広州の水上遊郭」の記事における「清代・広州の水上遊郭」の解説

正月広州役場勤めている三人同郷人が、水上遊郭案内すると言って私を引っ張り出しに来た。 ここの妓船を花艇といい、二隻ずつ舳先向き合わせ長い列を作って繋留されている。向き合っている船首船首との間には、狭い通路残され小艇往来するようになっている一班は十隻から二十隻間での花艇からなり、それらの各艇はいずれ海風を防ぐ為に、横に渡した木材結び付けられている。 酒宴が終わると寝転んで阿片を吸う者、女を擁してふざけ合う者などが出てきた。舟の若い者たちが、布団とを運んできて、その場ずらりと敷き始めた。私は、相手の喜児にそっと、「お前の本船に寝る場所はないのかね?」と尋ねた。喜児は、「お客さんは寮へ泊まれるようになってます。しかし、今夜空いているかどうか分かりません」と答えた。寮というのは、船首二階になっている部屋の事である。私は、「じゃ、行って尋ねてみよう」と言い小艇呼んで、邵おばさんの船まで漕がせた。両側の花艇の灯火互いに水面照らし合っていて、ちょうど、私たち長い廊下歩いて行くようだった。寮には、その夜は客が来ていなかった。やり手婆さんは、私を笑顔迎えて如才なく、「私には、今日賓客お見えになるのが分かっていたので、特に寮を空けてお待ちしていたんです」と言った。私は、笑いながら、「おばさん本当に蓮の葉の下の仙人みたいな人だよ」と応酬した。それから、舟の雇人の照らす蝋燭の光で、舳先背後から、梯子づたいに、寮へのぼって行った。見ると、屋根裏のような窮屈な部屋で、片側長椅子据えてあり、卓も椅子もちゃんと備わっている。さらにもうひとつカーテンくぐって奥へ進むと、そこはちょうど、下の客室真上に当たる部屋であり、片隅寝床設けられてある。部屋中ほどに、四角の窓を切り、ガラスをはめてあるので、火を付けなくても室内明るい。明り向こう側の花艇から来るものである夜着や、カーテンや、鏡台贅沢な品ばかりだった。 喜児が、「露台へ出ると、お月さんが見られますよ」と言うので、梯子段の上切ってある窓を押しあけて、這うようにして外へ出てみると、そこは船首屋上になっている場所だった。三方に低い設けてある。一輪明月冴え広く、空には一片もない。あちこち落ち葉のように水上浮かんでいるのは酒船であり、きらきら群星のように瞬いているのは酒船の灯火である。小艇が機を織るように往来している。笙歌弦索の声が四方から聞こえてくる。それに混じって遠くから伝わってくる潮騒の音、どれもこれも人の感傷をそそるものばかりである。私は、「若くして広州入らず、というのはこの事なんだな。芸を連れて来られなかったのが、なにより残念だ」と独語したふりかえって喜児を見ると、月下の彼女は、依然としてよく芸に似ている。で、手をとって下に降り灯り消してについた

※この「清代・広州の水上遊郭」の解説は、「広州の水上遊郭」の解説の一部です。
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