海外公開版とオリジナル版との相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 06:28 UTC 版)
「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」の記事における「海外公開版とオリジナル版との相違」の解説
日米合作映画である本作は、ベネディクト社が「海外公開版」として再編集したものが、アメリカで『怪獣大戦争』との2本立てで公開された。画面サイズは東宝スコープではなく、ビスタサイズにトリミングされている。セリフはすべてアメリカの俳優によって吹き替えられ、タンブリン自身も英語台本に合わせて自分のセリフを再アフレコしている。タンブリンのシーンを撮り直した部分も多い。 作劇面では「フランケンシュタイン」という意匠設定が外されており、二大怪獣は巨人を意味する「ガルガンチュア」と呼ばれ、細胞分裂を繰り返すUMAとなっている。ガイラは「緑の怪物(グリーン・モンスター)」または「グリーン・ガルガンチュア」、サンダは「茶色の怪物(ブラウン・モンスター)」または「ブラウン・ガルガンチュア」と呼ばれ、アケミもサンダのことを単に「ガルガンチュア」と呼ぶ。また、スチュワート博士の視点を中心にした作劇にアレンジされており、海上保安庁職員・平井(田島義文)が操舵手・亀田三郎(山本廉)や漁船を検分する一連のシーンも、スチュワート博士が立ち会うものとなっている。 伊福部昭による劇伴曲はぶつ切りにされており、「L作戦マーチ」や「ガイラが海へ逃げるシーンでの使用曲」などがテンポの速いアメリカの楽曲に差し替えられ、随所に『怪獣大戦争』(1965年、本多猪四郎監督)、『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年、本多猪四郎監督)からの楽曲や、『キングコング対ゴジラ』(1962年、本多猪四郎監督)の「大ダコのテーマ」が挿入されている。また、歌手役のキップ・ハミルトン(英語版)の歌声は日本版より鮮明である。 ガイラが羽田空港に上陸し、女性を掴み上げて食べる場面は「ガイラが女性を噛み砕いて飲み込んだあとに衣服を吐き出す」というところまでは同じだが、その次はオリジナル版では花束のアップ、海外版では「ボロボロの衣服が滑走路にベタッとたたきつけられる」というショットになっている。 アメリカでの上映時間規定(90分)を満たすため、「ガイラを助けに現れ、飛び降りるサンダ」、「銀座でガイラを迎え撃つ自衛隊の車両描写」など、国内版では未使用の特撮カットが挿入されている。 ベネディクト・プロの経営者であるヘンリー・G・サパースタインは、本作の続編的作品としてサイボーグ化したゴジラとガルガンチュアが戦う映画を企画したが、実現には至らなかった。
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