注目を集めた記者会見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 21:19 UTC 版)
11月4日、榎本三恵子はNHKに「今回を最後に今夜、記者会見をしたいので各報道機関への連絡、時間、場所をセッティングして欲しい」と電話を入れる。NHK側は独占でやりたいと申し入れたがそれを拒否、急遽NHKの仕切りでホテルオークラ東京で記者会見を行うことになり、そこには200人近い報道陣が集まった。会見場には映画監督の大島渚や『文藝春秋 (雑誌)』に『田中角栄研究-その金脈と人脈』を書き田中金脈問題の急先鋒であった立花隆、また各テレビ局のアナウンサーも姿を見せ、この会見を仕切ることになったNHKの代表質問からインタビューは始まり、その後でマスコミ各社とのやり取りとなった。 「妥協のない女だと社会の片隅に追いやられると思っていましたが、見ず知らずの人達から温かい励ましをいただいてありがたいと思っています。元夫を憎くて証言したわけではありません。別れても相手の人格は認めたい。夫婦間に年齢差はあったが、年若い女房を理解して欲しかった。法廷に立った理由は格好良すぎるかもしれませんが、やはり社会正義という一言に尽きます。証人として立ったということで子供達には二度と会えないだろうということは覚悟しています。あたくしが投げかけたメッセージを三人の男の子が、しっかりと受け止めて欲しい」 - 書類を焼くなど証拠隠滅した行為は、社会正義の為とは相反するのではないか? - 「その当時は権力の中枢で生きてたし、扶養されてもいたので。でも時間が経ち、物の考え方、受け止め方も変わってきたので。榎本氏との離婚後の話し合いがうまくいっていれば、丸く収めたかったし法廷には出なかったでしょう」 - 奥野法相が「人の道に反する」と検察を批判したことはどう受け止めているのか? - 「裁判の証言を国会が問題にすることが理解できません。正しいこと、真実を語るのは国民の義務です。人の道に外れているかどうか、ご批判は自由ですが。蜂は一度刺すと自分も死ぬと言いますが、人を刺すという行為は失うものが大きいです」 - 蜂の針で刺したのは田中角栄ですか? - 「ロッキード裁判の法廷にいらっしゃる方々、全てです」 この日もハチの一刺し発言が発せられた。ここでは社会正義と国民の義務という点が強調されたが、マスコミの関心はロッキード事件の真相のことよりも、離婚の原因や同棲している婚約者の存在など、もっぱら榎本三恵子の私生活に集中した。会見は三恵子が『週刊文春』に書いた手記の発売日の前日に行われており、要所要所で「詳しいことは手記に書きました」「手記をお読み下さい」と言葉を濁したことで、文春側が仕組んだ宣伝ではないかというしらけた雰囲気が現場に漂った。これにはやはり後に出版された本の中で、「全ては週刊文春の手記に書いてあります」と答えて欲しいという文春側の注文があったことを明かした。
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