気多の鵜祭の習俗とは? わかりやすく解説

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気多の鵜祭の習俗

名称: 気多の鵜祭の習俗
ふりがな けたのうまつりのしゅうぞく
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 気多神社鵜浦町
指定年月日 2000.12.27(平成12.12.27)
都道府県(列記): 石川県
市区町村(列記): 羽咋市寺家町七尾市鵜浦町
代表都道府県 石川県
備考 12月16日
解説文: 羽咋市能登半島位置する市内寺家町に海に向かって鎮座するのが気多神社である。鵜祭十二月十六日午前三時から気多神社行われる七尾市浦から三人捕部【うとりべ】が徒歩運んできた、捕らえたての生きた神前放し、案上にとまるとすぐに取り押さえ神社前の海岸運んで真っ暗な空に放つのである神前で案上にとまるまでの動きによって古老来るべき年の豊凶を占う。このは、祭日前に七尾市鵜浦町鹿渡島【かどしま】で捕らえられる
 鹿渡島は七尾市北端崎山半島先端部に位置し、ここにある捕り崖で、鹿渡島に住む主任小西家によって捕らえられる捕まえられは、同じく鹿渡島に住む二〇戸の捕部【うとりべ】の人たちが毎年三戸ずつ当番気多神社まで運ぶ。この道中は、七尾市内での宿泊が二泊から一泊になり、宿も変わってはいるが、歩く道筋はほぼ古くからの通りである。
 鵜浦町鹿渡島・川尻・中浦山崎から成り立っている。鹿渡島の先端観音崎といわれ、東は富山湾、西は七尾湾臨んでいる。観音崎には能登観音崎灯台があり、捕り崖はこの灯台の下の富山湾側に面して位置し、幅約五〇センチメートル休み台が造られている。ここで小西氏を捕ることになっている休み台は、十一月初めころに捕部の一員である行長氏が、山づくりといって雑木雑草などを切り払って手入れをしている。十二月十二日には持って鹿渡島を出発することに決まっているので、八日九日ころになると、その年の当番当たっている捕部三人が、神酒編んだ高さ、径ともに一尺八寸の籠を持って小西家に行き捕らえることを依頼するその後小西家では捕り崖に行き神酒御花米を供えてからを捕るが、捕り崖は神聖な場所とされ、女性が近寄ることは禁止されている。捕らえられ様と呼ばれ小西家ではの籠に入れるとすぐに当番の家に届ける。を預かる家は、三軒当番の中から、昼間人が家にいることなどを条件決める。届けられると、当番の家では出発の日まで座敷のネカギ(自在鈎)に入れた籠をかけておく。
 当番捕部三人十二日の早朝未明に、一人御幣【ごへい】をつけ入れた籠を背負い二人はこれに付き添って鹿渡島を出発する当番捕部は合羽長靴ばきで、合羽の上には、気多神社から出発前日までに届けられる素袍【すおう】を着て、頭には烏帽子をかぶる。出発するときには田の近くの田の真ん中祀られている宮塚を拝んでから出かけることになっている気多神社までの道中一日目二日目昼過ぎまでは七尾市内を歩き二日目昼過ぎ鹿島町経て鳥屋町に入る。二日目鳥屋町泊まり、翌三日目鹿西町経て羽咋市入り気多神社到着する
 一日目鹿渡島を出ると、川尻から崎山川渡って中浦入り、さらに市内部を「捕部、捕部」と連呼しながらまわる。この日の昼食市内西町の春成【はるなり】酒造店でとる習わしで、ここに到着する同時に入れた籠の御幣新しいものと取り替える午後は再び市内をまわり、夜はさたみや旅館泊まる以前はさたみや旅館ではなくえびす屋大津屋などの篤志【とくし】の宿に泊まっていたという。
 翌、十三日午前中七尾市内をまわり、昼前市内所口町気多本宮社に着き新嘗祭にいなめさい】に参加する気多本宮社では鹿渡島の出ない新嘗祭できないとされ、お祓い受けた後、気多本宮社の祭に参加する。ここで入った籠にさらに御幣をつけ、昼食食べてから出発し能登街道南下して鹿島郡に入る。鹿島町経て鳥屋町入り、この日は同町良川家家泊まる家家代々宿を引き受けてくれており、には邑知潟おうちがた】の寒鮒食べさせてくれる習わしである。家家には宿代払わず気持ちだけの謝礼をおいてくることになっている
 十四日鳥屋町から鹿西町入り金丸神社宿那彦神像石神社)の梶井宮司宅でお祓い受けた後、昼食をとって出発する。また金丸には休み石があり、この石に入った籠をのせて休むことになっている。ここを出ると夕方までに気多神社到着する神社到着してからは、餌止でには餌を与えない
 道中は、「捕部、捕部」と大声呼びながら歩いてくるので、捕部が通りかかると、といって賽銭をあげてを拝む年寄りたちもいる。また、様の入った籠に耳をあてると耳が聞こえるようになるとか、の羽の色で天候を占うこともあり、様の色が青いとが多い、白いとが多いとか夏は晴れるとかいう。


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