涌出宮の宮座行事とは? わかりやすく解説

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涌出宮の宮座行事

名称: 涌出宮の宮座行事
ふりがな わきでのみやのみやざぎょうじ
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 涌出宮座行事保存会
指定年月日 1986.01.14(昭和61.01.14)
都道府県(列記): 京都
市区町村(列記): 相楽郡山城町大字平尾相楽郡山城町大字綺田
代表都道府県 京都府
備考 2月1517日3月21日9月30日10月16・17
解説文: 近畿地方近江山城大和地方には、宮座という伝統的な氏子組織支えられ祭祀行事伝えられている。中でも京都府相楽郡山城町(旧棚倉村)の氏神涌出宮には、特色ある宮座行事今日でもよく残存している。
 涌出宮は、古くからの通称で、正しくは和伎座天乃夫岐売【わきにいますあめのふきめの】神社といい、延喜式所載古社である。注目されることは、この神社祭祀大部分八つ宮座によって行われていることである。
 居籠祭りは、涌出周囲与力座が中心となって行われる二月十五深夜に「もりまわし」といって役の者が山の中や神社近くの塚十一所を回って神を迎えてくる。そして、早朝神社周囲四つ塚を設けとともに祭りに使う箸を削り松明作るまた、野塚祭り供える小型野道具(唐犂【からすき】・馬鍬【まぐわ】・鋤【すき】・鍬【くわ】)を作る古川座は、勧請縄【かんじようなわ】を作る十五日の夜は、門【かど】の饗応で、与力座が、古川座・歩射座【びしやざ】・尾崎座を饗応し、松明燃す深夜に、野塚祭りといって野道具を野塚納める村人は、競ってこれをいただいて帰る十六日は、古川座・歩射座により勧請縄奉納され深夜野塚祭りがある。十七日は、与力座による三座古川座・歩射座・尾崎座)の饗応の儀があり、終了後御田【おんだ】の式(種蒔きから田植までの予祝行事)が実施される深夜に、野塚祭りの後、あけの太鼓終了となる。
 三月二十一日は、女座の祭り中村座大座・岡之座の女衆が各座の当屋集まり大根作った男根擬え物の前で会食し擬え物を持って涌出宮に奉納神楽をあげてもらう。
 九月三十日は、あえの相撲で大座と殿屋座、中村座と岡之座が組んで二組に分かれ子供相撲涌出宮に奉納する
 十月十六十七日は、百味御食で、大座・殿屋座・中座・岡之座の座衆出て、山や田畑収穫物各戸から集めて涌出宮に供物として奉納する
 これらの行事では、居籠祭りが神の来臨饗応を軸とした厳粛かつ、古風な祭り形態をよく残し、珍しい女性中心豊穣祈願の女座の祭り収穫物献上中心とする秋祭りなどそれぞれ特色がある。
 近畿地方行われる宮座行事中でも氏神祭祀古風な儀礼をよく保存する典型的な例として重要である。



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