民俗学研究法とは? わかりやすく解説

民俗学研究法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:07 UTC 版)

民俗学」の記事における「民俗学研究法」の解説

民俗学調査手法としては、庶民の生活を総体的に把握するという目的を果たすため、農山漁村中心とした集落滞在し聞き取り聞き書き調査や紙資料を含む文字資料金石文棟札など)の収集建築物民具など物質文化記録、あるいは生業共同労働年中行事人生儀礼などの場への参与観察、そして民俗誌記述主体となる。フィールドワーク蓄積からエスノグラフィーを描くことを重視するという意味では文化人類学の手法に近似するが、マリノフスキー以降近代人類学が研究者個人による数ヶ月数年長期滞在調査基本とするのに対し民俗学では数日数ヶ月スパンの中短期調査繰り返し行うことが多く、また複数研究者による共同調査実施されることも多い。 初期民俗学では日本各地から集められ民俗資料類型化比較し日本全体枠組みの中で民俗事象歴史的変遷明らかにするという「重出立証法」が採られた。ジョージ・ゴム(George L. Gomme)の著作元に柳田國男提唱したこの方法論長く民俗学基礎理論だったが、一方で山口太郎和歌森太郎などからは民俗地域性過小評価する方法論だとする批判意見出された。学説史の中で最も影響力のある批判福田アジオよるもので、民俗日本全体での比較ではなく、それが伝承される村落信仰組織等切り離さず分析すべきという「個別分析法」を提唱した構造機能主義人類学影響色濃い福田方法は、村落社会において民俗捉え、それが生活の中で相互に連関しながら全体として有している意味を明らかにようとする民族全体スケール大き歴史追ってきたそれ以前民俗学比べ福田方法論小規模集落ムラ)の歴史それ自体をより実証的描こうとする点に特色があり、同世代宮田登提唱する地域民俗学とともにポスト柳田民俗学方法論として影響した。 もともと民俗学文化人類学社会学宗教学歴史学など多く分野と密接に関連しており、ライフヒストリー研究パフォーマンス理論社会史身体論等、研究対象によってはそれらの分野通じ方法論用いられることも多々あるいずれにせよ民俗学の研究方法分析的(Analytical)というよりは記述的Descriptive)であり、対象へのインテンシブ調査元に厚い記述ギルバート・ライル)を目指すいわゆる質的研究一つ位置づけられる。

※この「民俗学研究法」の解説は、「民俗学」の解説の一部です。
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