機械論的世界観
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世界を等質な部品の組み合わせとみる世界観でルネ・デカルトにより定式化されて世界各地に波及した。
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機械論的世界観
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デカルトは、物体の基本的な運動は、直線運動であること、動いている物体は、抵抗がない限り動き続けること(慣性の法則)、一定の運動量が宇宙全体で保存されること(運動量保存則)など、(神によって保持される)法則によって粒子の運動が確定されるとした。この考えは、精神に物体的な風や光を、宇宙に生命を見たルネサンス期の哲学者の感覚的・物活論的世界観とは全く違っており、力学的な法則の支配する客観的世界観を見出した点で重要である。 更にデカルトは、見出した物理法則を『世界論』(宇宙論)において宇宙全体にも適用し、粒子の渦状の運動として宇宙の創生を説く渦動説を唱えた。その宇宙論は、 宇宙が誕生から粒子の運動を経て今ある姿に達したという発生的説明を与えた 地上と、無限に広がる宇宙空間において同じ物理法則を適用した という点で過去の宇宙論とは一線を画すものであった。 デカルトは見出した法則を数学的に定式化せず、また実験的検証を欠いたことで法則の具体的な値にも誤謬が多い。そのために科学史の上ではガリレイとニュートンの間で、独断論に陥った例として取り上げられることが多かった。しかし今日ではニュートンはデカルトの『哲学の原理』を熱心に読んでいたことが科学史家ヘリヴェルの研究によって明らかにされるなど、その位置付けが見直されている。 また、デカルトは動物機械論(英語版)や身体機械論を唱え、これは人間機械論に影響を与えた。 デカルトは動物が痛みを感じる能力を否定する動物機械論を信じており、意識のある動物(主に犬が使用された)を生体解剖(生きたまま解剖)し、動物がもがき悲鳴をあげても、見学者に心配しないように伝え、動物のこれらの反応が、プログラムされた応答にすぎないと主張した。デカルトのこのような思想や行為が、のちの動物福祉運動や動物の権利運動に大きな影響を及ぼすことになる。
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