粒子の運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/27 15:19 UTC 版)
粒子の位置が xμ で表されているとする。この粒子の運動を記述するために、光円錐座標系における時間に相当するパラメータを考える。 光円錐座標系における座標成分は、空間的な成分と光的な成分だけであり、時間的な成分を持たない。 しかし、光的な成分 x+ と x− は、粒子が質量を持つ場合には、時間の経過(xd+1 の増加)に対して単調に増加するので、どちらも時間に相当する座標として用いることができる。そこで x+ を光円錐座標系における時間に相当する成分に選び、適当な正の定数を用いて t lc = a x + {\displaystyle t_{\text{lc}}=ax^{+}} によって光円錐時間を定義する。 粒子の位置の光円錐時間 tlc による微分 V μ = d x μ d t lc {\displaystyle V^{\mu }={\frac {dx^{\mu }}{dt_{\text{lc}}}}} によって光円錐速度が定義される。V+ を具体的に計算することで、光円錐時間が t lc = x + V + {\displaystyle t_{\text{lc}}={\frac {x^{+}}{V^{+}}}} であることが分かる。 相対論的な粒子の運動を表す作用は粒子の運動の経路の長さに比例し S [ x ] = − m c ∫ d s = − m c ∫ − η μ ν V μ V ν d t lc {\displaystyle S[x]=-mc\int ds=-mc\int {\sqrt {-\eta _{\mu \nu }V^{\mu }V^{\nu }}}\,dt_{\text{lc}}} で与えられる。座標に共役な運動量は p μ = ∂ L ∂ V μ = m c V μ − V 2 {\displaystyle p_{\mu }={\frac {\partial L}{\partial V^{\mu }}}={\frac {mcV_{\mu }}{\sqrt {-V^{2}}}}} である。光円錐時間と共役な p+ が光円錐座標系におけるエネルギーに相当する。 ハミルトン関数を考えれば H = p − V − + ∑ i = 1 d − 1 p i V i − L = − V + p + = V + p − {\displaystyle H=p_{-}V^{-}+\sum _{i=1}^{d-1}p_{i}V^{i}-L=-V^{+}p_{+}=V^{+}p^{-}} であり、光円錐座標系におけるエネルギーは E lc = − V + p + = V + p − {\displaystyle E_{\text{lc}}=-V^{+}p_{+}=V^{+}p^{-}} で定義される。 質量殻条件 − m 2 c 2 = p 2 = ∑ i = 1 d − 1 ( p i ) 2 − 2 p + p − {\displaystyle -m^{2}c^{2}=p^{2}=\sum _{i=1}^{d-1}(p^{i})^{2}-2p^{+}p^{-}} を用いれば E lc = V + 2 p + ( m 2 c 2 + ∑ i = 1 d − 1 ( p i ) 2 ) {\displaystyle E_{\text{lc}}={\frac {V^{+}}{2p^{+}}}\left(m^{2}c^{2}+\sum _{i=1}^{d-1}(p^{i})^{2}\right)} となる。光円錐座標系で表す場合には、粒子のエネルギーに平方根が現れない。
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