樺太犬たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 08:29 UTC 版)
南極観測隊のそり犬として南極へ行った樺太犬たち。第1次南極観測隊では多くの活躍をする。越冬隊の撤退の過程で、シロ(雌)などを除いて無人の昭和基地に置き去りにされてしまう。 タロ 稚内に生まれ、南極の昭和基地で育った雄の樺太犬。南極観測隊に樺太犬による犬ぞりの使用が決定され、犬ぞり隊となる。ボツンヌーテン遠征の帰路、越智の提案により思わぬ活躍をする。無人の昭和基地に置き去りにされてしまう。性格はやや喧嘩っ早く、作中で二度もアンコと喧嘩をしている。 ジロ タロの弟。タロより穏やかな性格で、鼻の周りの毛が白い。タロとともにボツンヌーテン遠征の帰路に活躍をする。タロより早く鎖から脱出して基地を立ち去るが、タロが気がかりで引き返してくる。その後もタロやリキと行動をともにする。 リキ 利尻生まれ。6歳。麻子・真紀姉妹の元々の飼い犬。犬たちのリーダー的存在。鎖から脱出した後も食料や人間の痕跡を求めて他の犬たちを統率する。タロ・ジロをシャチからかばって傷を負い、2頭に食料のアザラシの死体の場所を教えて力尽きる。なお、史実では、タロとジロの生還から9年後の1968年に昭和基地近くの解けた雪の中からリキの遺体が発見されている。 アンコ 利尻生まれ。3歳。南極に取り残された後、鎖から最初に脱出した。流氷に乗って孤立してしまうが、風連のクマと合流したことで生き延びていた。鎖ごと引きちぎって脱出したことが仇となり、アザラシに海中に引きずり込まれて死亡する。置き去りにされる直前に一度首輪抜けしており、このことがアンコ自身と鎖から抜け出せなかった7頭の死の遠因となる。 シロ(雄) 利尻生まれ。3歳。鎖から脱出した8頭のうちの1頭。アンコと仲がよい。氷原で崖から滑落して他の犬たちとはぐれてしまい、ボツンヌーテン遠征で人間と過ごした思い出のあるクジラの死骸の中で静かに息絶える。 ジャック 利尻生まれ。4歳。鎖から脱出した1頭。氷の軋る音に怯えるなど臆病な性格。オーロラを見て狂乱、いずこへともなく走り去りそのまま行方不明となる。のちに遺体が発見された。 デリー 旭川生まれ。6歳。最後に鎖から脱出したものの、クラック(海氷の裂け目)周辺で食料を探している途中、海に落ちて死亡する。鎖から脱出した8頭の中で最初に命を落とした。 風連のクマ 風連生まれ。5歳。鎖から脱出した1頭。タロ・ジロ兄弟の父に当たる犬。リキに次いで経験が豊富で、食料の探し方をよく知っている。一匹狼的性格で、脱出した他の犬と群れずひとり大陸にとどまるが、はぐれたアンコを連れてタロ・ジロと合流し、また大陸へと消える。作中ではタロ・ジロを除く13頭のうち最後まで生存していた犬だが、死は直接描写されていない。 ゴロ 稚内生まれ。6歳。体が大きく、“無駄飯食い”と呼ばれるほどの大食漢。ボツンヌーテン遠征の途中で脱走してしまうが、越智の説得により戻ってくる。鎖から抜け出せずにそのまま死亡する。のちに、昭和基地に戻ってきた越智がゴロの遺体を見て「腹減って」と呟くシーンがあるが、凍死か餓死かは定かではない。 ペス 鎖に繋がれたまま死亡する。 モク 鎖に繋がれたまま死亡する。 アカ 攻撃的な性格。鎖に繋がれたまま死亡する。 クロ 鎖に繋がれたまま死亡する。 ポチ 鎖に繋がれたまま死亡する。 紋別のクマ 鎖に繋がれたまま死亡する。 シロ(雌) 昭和基地でジロと結婚し、仔犬を産む。仔犬とともに昭和基地から連れ出される。
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