様々なEmacsエディタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 21:16 UTC 版)
「Emacs」の記事における「様々なEmacsエディタ」の解説
過去においては、各Emacsプロジェクトの目的は肥大化したEmacsの小規模なバージョン作成であった。GNU Emacsは当初、当時のハイエンドであった32ビットフラットアドレス空間と少なくとも1MiBのRAMを搭載するコンピュータを想定していたが、1980年代ではそのようなコンピュータはハイエンドなワークステーションやミニコンピュータであったので、一般的なパーソナルコンピュータのハードウェアで動作するようより小規模に再実装する必要があった。近年では小規模なEmacsクローンはソフトウェアインストールディスクに収まるよう設計されている[要出典]。 小規模バージョン作成以外のプロジェクトの目的は、ELisp以外のLISP方言やLISPとは全く異なるプログラミング言語によるEmacsの実装である。Emacsクローンを以下に示す。ただし現在その全てが管理されているわけではない: MicroEMACS - Dave Conroyが初めに書き、後にDaniel Lawrenceが開発した、非常に可搬性のある実装である。リーナス・トーバルズの使うエディタでもある。 mg(英語版) - 当初はMicroGNUEmacsといわれていたが後にmg2aといわれるようになった。MicroEMACSのパブリックドメインなフォークでありより密接にGNU Emacsを似ていることを意図された。OpenBSDでは既定でインストールされる。また、macOSにプリインストールされていたEmacsは、2018年にリリースされたmacOS Mojave (v10.14)の時点でさえ11年も前にリリースされたemacs22であったが、macOS Catalina (v10.15)よりmgに変更されている。 NotGNU - Julie Melbinにより書かれた小さくて高速なプロプライエタリなフリーウェア。MS-DOS、Win16、Win32、Linux版がある。 JOVE(英語版) (Jonathan's Own Version of Emacs) - Jonathan PayneによるUnix系システム用の非プログラマブルなEmacs実装である。 MINCE(英語版) (MINCE Is Not Complete Emacs) - Mark of the Unicorn(英語版)製のCP/M用のバージョンで後にDOSにも移植された。MINCEはFinal Wordへと進化し、さらにFinal WordはボーランドのSprint (ソフトウェア)(英語版)となった。 Perfect Writer(英語版) - CP/M実装であり、Kaypro IIおよびKaypro IVの最初期のリリースに付属のデフォルトワードプロセッサであるcirca 1982を含んだMINCEが由来。後にWordStarの代替品としてKaypro 10に提供された。 Freemacs(英語版) - テキストマクロ拡張ベースの拡張言語を使うDOSバージョンであり、DOSの64KiBフラットメモリ限界に収まる。 GNU Zile - ZileはZile Is Lossy Emacsの再帰的頭字語であったが、Luaで再度書き直されてZile Implements Lua Editorsとして拡張機能を提供する。新しいZileには未だにZemacsと呼ばれるLuaによるEmacs実装が含まれている。Ziと呼ばれるvi実装も含まれる。 Zmacs(英語版) - MIT LISPマシンとその子孫用で、ZetaLispで実装されている。 Climacs(英語版) - Zmacsに影響された派生で、Common Lispで実装されている。 QEmacs - Fabrice Bellard(英語版)による、何千MiBものサイズになる巨大なファイルを迅速に編集可能でUTF-8が使用可能な小規模エディタ。 Epsilon(英語版) - Lugaru SoftwareによるEmacsクローン。リリースにはDOS、Windows、Linux、FreeBSD、macOS、およびOS/2用のバージョンがバンドルされる。EpsilonはCの構文を持つLISPではない拡張言語を使用し、シングルタスクであるMS-DOSにおいて非常に高速な同時コマンドシェルバッファ実装を使っていた。 PceEmacs - SWI-Prolog(英語版)用のEmacsベースエディタ。 EmACT - 1986年のChristian JullienによるMicroEmacsのフォーク。EmACTのソースコードはSourceForgeから利用できる。 Amacs - EmacsのApple II ProDOSバージョン。Brian Fox(英語版)により6502アセンブラで実装された。 Hemlock - 元々Spice Lispで書かれていたが、後にCommon Lispとなった。CMU Common Lispの一部。Zmacsに影響された。後に(Helixとして)Lucid Common Lisp、LispWorksおよびClozure CL(英語版)プロジェクトによりフォークされた。Hemlockを提供することを狙いとした、Portable Hemlockプロジェクトも存在する。HemlockはいくつかのCommon Lisp実装で動作する。
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