東遷事業の開始とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 東遷事業の開始の意味・解説 

東遷事業の開始

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:41 UTC 版)

利根川東遷事業」の記事における「東遷事業の開始」の解説

近世初頭利根川東遷事業は、かつては文禄3年1594年)に新郷(現・羽生市)で会の川締め切った工事始まったといわれていた。しかし、近年の研究では、締め切りは忍領の水害対策であり、東遷事業はじまりは、27年後の元和7年1621年)とされている。 会の川の締め切り 文禄3年1594年)に羽生上川俣にて会の川の締め切りおこなわれた忍城城主であった松平忠吉家来小笠原三郎左衛門命じ工事が行われたといわれるが、関東郡代伊奈忠治との連絡のもと進められたとも推測されている 。 備前堤(綾瀬川流域)の開発 慶長年間1596年-1615年)には、備前堤が築造され、綾瀬川荒川から切り離され綾瀬川流域低湿地開発綾瀬川自身流域用水源としたという。 小名木川と新川の開削 行徳塩田隅田川を結ぶため、天正18年1590年)に小名木川を、寛永6年1629年)に新川開削し江戸川下流部江戸の町をつなぐ水運路を整備した利根川渡良瀬川河川整理 元和7年1621年)、浅間川締め切りと、新川通開削、および権現堂川拡幅が行われ、同時に赤堀川掘削始められた。利根川渡良瀬川合流し権現堂川太日川がその下流となった。なお太日川はほぼ現在の江戸川だが全く同じではない。現在の江戸川の上流部は寛永18年1641年)に開削し人工河川であり、下流部人工河川とみる説もある。 寛永期の河川整理 寛永6年1629年)、荒川西遷が行われた。熊谷市久下荒川締め切り和田吉野川市野川経由し入間川に付け荒川下流隅田川となり旧流路元荒川となった同じく寛永6年1629年)、鬼怒川小貝川分離し板戸井台地を4キロメートルわたって開削し常陸川合流させ、合流点を約30キロメートル上流移動した。翌寛永7年1630年)に、布佐布川間を開削し常陸川を南流させ、また戸田井・羽根野開削し小貝川も南流させ常陸川狭窄部のすぐ上流合流点付け替えた。 赤堀川掘削 新川通開削権現堂川拡幅とともに元和7年1621年)に掘削始められ赤堀川は、太平洋へ分水嶺越え水路開削するものであり、その目的利根川香取海へ注ぐ常陸川流し太平洋へ注ぐ銚子河口まで繋がる水運整備することだった。しかし、台地猿島台地)を掘削するために難工事となり、寛永12年1635年)の工事含めて2度失敗している。承応3年1654年)、3度目赤堀川掘削工事により渇水期常時通水成功、これにより銚子河口まで繋がる江戸水運成立した。この時の赤堀川川幅10間(18メートル程度狭く利根川洪水流下させる機能はなかった。 河川整理用水路開発とその後 さらに、寛文5年1665年)、権現堂川江戸川と、赤堀川常陸川をつなぐ逆川開削、これにより銚子から常陸川遡って関宿至り逆川から江戸川下り新川小名木川通って江戸を結ぶ、用水路開発加速した。しかし、強引な水路変更様々な問題引き起こした水量増大皮肉にも利根川土砂堆積による浅瀬形成促し水量少な時期には船の通行困難にした。特に関宿からの旧常陸川現在の利根川下流域)では相馬郡小堀村江戸川では松戸までの区間浅瀬被害が深刻で、この両区間では艀下船呼ばれる小型船積荷一部を分載して自船の喫水小さくすることで浅瀬との衝突避けた。これにより小堀松戸の両河岸には艀下船河岸問屋栄えた

※この「東遷事業の開始」の解説は、「利根川東遷事業」の解説の一部です。
「東遷事業の開始」を含む「利根川東遷事業」の記事については、「利根川東遷事業」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「東遷事業の開始」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「東遷事業の開始」の関連用語

東遷事業の開始のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



東遷事業の開始のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの利根川東遷事業 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS