東ゴート王国とビザンツ帝国のイタリア再征服とは? わかりやすく解説

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東ゴート王国とビザンツ帝国のイタリア再征服

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:57 UTC 版)

中世ヨーロッパにおける教会と国家」の記事における「東ゴート王国とビザンツ帝国のイタリア再征服」の解説

詳細は「東ゴート王国」を参照 ローマ帝国西方正帝西ローマ皇帝であったロムルス・アウグストゥルスおよびユリウス・ネポス476年から480年にかけてオドアケルらによって廃位されると、西ローマ皇帝存在しなくなった。しかし、ローマ帝国の支配体制自体変化を蒙ったわけではないオドアケルローマ帝国宗主権認めており、そのオドアケル政権打倒し東ゴートテオドリックローマ帝国宗主権認めこの間西ローマ帝国元老院存続していた。しかしながら東ゴート族アリウス派信仰しており、このことが東ローマ帝国との政治的対立結びつくこととなった。また王国統治ローマ人官僚貢献によって支えられていたが、彼らは正統信仰維持しており、信仰上の対立ゴート人ローマ人不和原因となって王国統治攪乱することとなったテオドリック寛容宗教政策展開して王国内の平和を保っていたが、晩年には宗教問題政治問題化した。たとえば、ボエティウス事例典型的である。ローマの有力貴族アルビヌス王位継承問題絡んで東ローマ帝国通じた問題で、ボエティウスアルビヌス弁護して投獄され524年処刑された。東ローマ帝国はこれをカトリック教会対す迫害捉え当時アリウス派一時的な寛容政策とっていユスティヌス1世態度硬化させた。ユスティヌス527年異端対す勅令出してアリウス派弾圧し以前からカルケドン信条守っていたブルグント王ジギスムントカトリック信仰転じたヴァンダル王ヒルデリック英語版)と同盟してテオドリック牽制した。 ユスティヌス1世継承した甥のユスティニアヌス1世532年ササン朝ホスロー1世永久平和条約結んで帝国東部辺境安定させると、西方の旧西ローマ帝国領の再征服乗り出した。まずヴァンダル王国矛先を向け、533年カルタゴ占領し534年にはヴァンダル王国を完全に滅ぼした。さらに535年テオダハド東ローマ帝国友好的な東ゴート女王アマラスンタ殺害すると、これを口実としてイタリア半島遠征軍派遣した東ローマ帝国軍は当初有利に事を進めたが、最高司令官ベリサリウス将軍ナルセスの間に不和生じるなど指揮系統混乱生じたナルセス本国召還されると、539年にはベリサリウス東ゴート族懐柔することに成功したが、ベリサリウスササン朝侵入対抗するため540年本国召還されてしまい、失望した東ゴート族は再び反乱起こした東ゴート族はやがてトーティラを王に推戴して勢力盛り返した544年ベリサリウスイタリアに戻るが、兵力不足から有効な反撃出来ず549年には再び本国召還された。550年になると、トーティラ率い東ゴート軍はローマ占領しイタリア半島をほとんど支配する態となって、シチリア島侵入するまでになった552年ナルセス大軍をもって派遣されると、ようやく東ローマ帝国軍は反撃転じブスタ・ガロールムの戦いギリシア語: Μάχη των Βουσταγαλλώρων Battle of Busta Gallorum)で東ゴート族大い破ったトーティラ殺され東ゴート族はなおも各地拠って抵抗したが、554年にはほぼイタリアに平和が戻り561年には抵抗は完全に収まった。 しかしこの戦乱によってイタリア半島荒廃進み、かつての繁栄失った東ゴート王国においては古典古代文化保存する活動維持されており、前述したボエティウス『哲学の慰め』著述してプラトンアリストテレス哲学概念用いてキリスト教教義論じたり、カッシオドルスが『ゴート人歴史』を書いてローマ人ゴート人調和説いたりといった文化活動見られた。カッシオドルス修道院教育自由七科導入するなど修道院文化育成にも関わるが、この伝統は戦乱とともに一時廃れた

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