村上春樹 雑文集
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『村上春樹 雑文集』(むらかみはるき ざつぶんしゅう)は、村上春樹のエッセイを中心とした書籍。
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注釈
- ^ 読者からの質問に対する返信を村上は書き直している。メールの返信の原文は以下のとおり。「『私について』書かなくてはいけないと思うから、悩むのです。たとえば『牡蛎フライ』について書こうと思えばいいのです。『牡蛎フライ』について書いているうちに、『牡蛎フライ』と自分との結びつきをみつければいいのです。そういう考え方をすると気が楽になります」[4]
- ^ なお、2003年7月11日に柴田元幸が行ったインタビューでは、村上は「カキフライ」を「うなぎ」に置き換えて説明している。「僕は『うなぎ説』というのを持っているんです。僕という書き手がいて、読者がいますね。でもその二人だけじゃ、小説というのは成立しないんですよ。そこにうなぎが必要なんですよ。うなぎなるもの」[5]
- ^ 1979年5月8日に行われた群像新人文学賞贈呈式で村上が述べた挨拶について、同賞の選考委員だった丸谷才一は次のように書き記している。「彼はロス・マクドナルドの探偵小説が大好きで、その名探偵リュウ・アーチャーのファンなので、将来小説家になつたら、ぜひ村上龍といふ筆名で書かうと思つてゐた。ところが先に村上龍氏が小説家として登場してしまつたので、村上春樹でゆくしかなくなつて非常に残念だ、といふ話だった。受賞の挨拶でこのくらゐ人を喰つた話ができる新人は、警戒すべきである」[8]
- ^ 大橋歩は10号(2004年12月15日発行)では「村上春樹さんのおうちへ伺いました。」という10ページにわたる特集記事を組んでいる。
- ^ タイトルは、ピーター&ゴードンの全米No.1のヒット曲 "A World Without Love" の邦題「愛なき世界」に由来する。
- ^ 村上が引用した手紙は、『愛・アフォリズム・詩』(平凡社ライブラリー)で読むことができる。吉田仙太郎の日本語訳は以下のとおり。「僕は、およそ僕自身を咬んだり刺したりするような本だけを読むべきではないかと思っている。僕たちの読んでいる本が、頭蓋のてっぺんに拳の一撃を加えて僕たちを目覚めさせることができないとしたら、それではなんのために僕たちは本を読むのか? (中略) 本は、僕たちの内部の凍結した海を砕く斧でなければならない。そう僕は思う」[12]
出典
- ^ 村上春樹『村上春樹 雑文集』新潮社
- ^ 村上春樹『村上春樹 雑文集』新潮文庫新潮社
- ^ 高橋秀実/村上さんってどんな人? | 村上春樹『村上春樹 雑文集』新潮社
- ^ 『スメルジャコフ対織田信長家臣団』朝日新聞社、2001年4月、読者&村上春樹フォーラム423。
- ^ 『ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』アルク、2004年3月、278頁。
- ^ 現代文B[現B320]: 亀井秀雄ほか6名 | 桐原書店
- ^ 探求現代文B[現B319]: 亀井秀雄ほか6名 | 桐原書店
- ^ 丸谷才一『挨拶はむづかしい』朝日新聞社、1985年9月、91頁。
- ^ 『文藝春秋』2009年4月号、158頁。
- ^ 本書、新潮文庫、468頁。
- ^ 本書、新潮文庫、491頁。
- ^ フランツ・カフカ『愛・アフォリズム・詩』平凡社、1996年6月、吉田仙太郎編訳、314-315頁。
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- 2 村上春樹 雑文集の概要
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