木造真教坐像とは? わかりやすく解説

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木造真教坐像

主名称: 木造真教坐像
指定番号 3524
枝番 0
指定年月日 2005.06.09(平成17.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書 像内に文保二年二月の銘がある
員数 1躯
時代区分 鎌倉
年代 文保2年(1318)
検索年代 1318
解説文:  遊行上人一遍継いで時衆教団大成した遊行二祖真教しんきょう】(一二三七~一三一九)の肖像彫刻である。法衣の上に環佩のない簡素な袈裟をまとい、胸前持物未開蓮華)を挟んで合掌前方傾ける)し坐す時宗祖師通途の姿で表される等身大大きさをなす。真教は、建治二年(一二七六)に九州遊行中の一遍出会い入門し他阿弥陀仏の名を与えられ一遍全国遊行従った一遍示寂後、法灯継ぎ後継者として北陸関東などを遊行し相模国当麻無量光寺で独住した時宗教団確立発展寄与し無量光寺入滅した。本像は、永仁五年(一二九七)に国府津道場として真教によって開かれた蓮台寺伝来する最近修理によって、頭部内に墨書で「南無阿弥陀仏」「文保二年二月十三日 御歳八十二」と銘文記されており、八二歳寿像であることがわかる。
 思われる針葉樹材用いて頭躰を別材から彫出する寄木造構造になる。頭部両耳後で前後に割矧ぎ、さらに両耳前で割矧ぎ内刳のうえ玉眼嵌入する。頭躰部は躰部襟際で矧ぐ。躰幹部は、両外側部を含め大略前後二列(内刳からなり、これに腹部の出を形成する前後二列(内刳)を矧ぐ両足部は大略前後三列(内刳)となる。躰部各部はさらに細かい材が矧ぎ合わされている。両手先は各一材製。表面現状下地現すが、肉身の白肉色口唇法衣の黄、袈裟茶色わずかに残っている。
 晩年、病により右半分歪んだ独特の面貌的確な写実表現で表す。合掌して坐す体躯表現は、簡潔ながら規則的にたたまれた膝前や両裾先の衣襞、あるいは奥行ある側面観に、安定感あるゆったりとした堅実な作風示している。真教肖像としてはほかに山梨称願寺重文)、京都長楽寺重文)、広島常称寺東京法蓮寺など数例が知られる称願寺像や常称寺像の面相部や着衣表現にやや形式的な理想化認められるのに比べれば、本像は類例中最も真容にせまったものといえ、像主の風貌写実的によくとらえた寿像であるといえよう
 最近修理によって後補の厚い彩色取り除かれ当初彫刻面が現れ両手含めて本躰に後補部分はほとんどない
 当代における時宗僧侶肖像彫刻相当数知られるが、製作年および像主名がわかる寿像少なく、本像は最古例となり、肖像彫刻としての意義高く、さらに真教巡教道場製作された本像は、時宗祖師への信仰考える上にも貴重な一作といえる



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