木造古楽面
主名称: | 木造古楽面 |
指定番号: | 3484 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2000.06.27(平成12.06.27) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 彫刻 |
ト書: | 白山神社への施入銘、応□(安)二年、文明二年、天文十一年、元和二年の年記等がある |
員数: | 25面 |
時代区分: | 室町~江戸 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 白山登拝路に当たる加賀・越前・美濃の三地域の古社寺には、白山へ奉納された面が数多く遺存する。中でも、美濃馬場である長滝白山神社に残る古楽面群は、質量ともに他を凌駕しており、すでに一一面(その四、六、七、一二、一三、一四、一六、一八、一九、二〇、二二)が昭和二十年に重要美術品に認定されている。 各面はいずれも木造彩色仕上げで、カツラ材製と思われるのがその三・五・六・七・九・一一・二一、ホウ材がその一七で、それ以外はヒノキ材製と思われる。 二五面のうち裏面に銘のあるものが一二面ある。ト書に挙げた南北朝から江戸時代に至る年記が四面分の銘にあり、それに作風的見地から判断される製作期を加えて全体の構成をみると、鎌倉時代から江戸時代までの諸面がまとまって遺存し、鎌倉・南北朝時代の当社復興期およびその後の安定期の作である。 面の種類から分ければ、翁系(五面)、男系(五面)、女系(七面)、鬼神系(四面)の能面、および能楽との関係の明確でない鬼神や鼻高(四面)から成り、古楽面の各種が平均的に伝存している。白山神社への施入の旨が記されている面が七面あることから、他の面も同じ白山信仰に基づく施入面と推定される。 その一一(若女)は、無銘ながら中尊寺延命冠者面(正応四年〈一二九一〉、重文)との類似から同時期の作とみられ、一群中の最古例として注目される。またその六(尉)は、銘の年記を応安二年(一三六九)と読むことができるようであり、しからば尉面の古態を示す、能面史上貴重な資料となる。その一(翁)はその作者酒惣が、二年後の天文十三年に広島・厳島神社の翁面を作っており、一作家の作風変遷のわかる稀少な遺例となっている。他にもその一〇(喝食)、一三(女)、一八(小飛出)など優品を多く含み、能面形成史の観点から見逃すことのできない作品群となっており、こうした重要作品がひとつの神社にまとまって伝来してきたことはまことに意義深い。 |
彫刻: | 木造半肉彫千手観音立像 木造厨子入聖僧坐像 木造厨子入釈迦如来立像 木造古楽面 木造司録半跏像 木造司録坐像 木造司録坐像 |
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