月の環境・生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/31 06:01 UTC 版)
月およびその生物は、ほとんどが第1部にのみ登場する(カルカール人及びその子孫は、シリーズを通した敵として登場する)。 月の環境 月は内部が空洞になっており、月人や他の生物は、その空洞部分(ヴァ・ガ(半人半獣の種族)の言語では「ヴァ・ナー」)に生存している。内部の面積は1400平方km近い。 地球内部のペルシダーと違い、太陽に相当するものはない(代わりに、岩石に含まれるラジウムから光が放射されている)。また、各クレーター(ヴァ・ガ語で「フー」)から太陽光線が注ぐタイミングがあり、これが熱源(と、もうひとつの光源)となっている。これを観測することで、ウ・ガ(月人)は時間を計測している。 クレーターから出入りが可能であり、地上との通路は複数存在している(ペルシダーの場合は、北極のみ確認されている。南極にも存在する可能性が示唆されている)。 重力が低いため、地球人は驚異的なジャンプ力を発揮する。大気と水は地球人に適したものである。 生物は、昆虫、爬虫類などの他、知的生物もいる。植物があり、森が存在している。 月の生物 動物は毒性の肉を持っており、食用に適しているものは3種類(いずれも知的生命)しかない。ヒキガエルに似た生物 名称不明。コウモリのような翼を持ち、飛行が可能。主人公は「爬虫類」と断言している。 リンプス 4本足のヘビ。足はカエルのものに似ており、短い。目は一つで、額の中央にある。 侮蔑する際に「リンプス!」と罵ることから、少なくともレイス市民にとっては嫌悪の対象と思われる。 トー・ホ ハヤカワ版ではトル・ホ。危険な野獣(肉食獣)だが、数は少ない。アメリカライオンぐらいの大きさの爬虫類。 リンプスと有翼ヒキガエルを常食としている。そのため、トー・ホ自身の爪や牙にも毒がある。 月の知的生命 3種類存在する。そのうち、地球人と同じタイプは2種類で、残り1種類は半人半獣である。ヴァ・ガ 人面獣身で、移動では4本足の状態だが、戦闘時は後ろ足で立ち、槍を使う。ひづめは3本。 体重は120kg~150kgほど(ただし、槍や装飾を装備した状態)、と主人公は見ている。 雑食だが、植物より肉を好む。負傷したものは、「足手まとい」として即座に殺され、食料となる。また、ウ・ガ(月人)、カルカール人を食料としている。 食用に適した生物の一つ。ウ・ガとカルカール人は彼らを飼育し、食料にしている。元はウ・ガに飼われていたが、カルカール人の造反の際、野生化した。 女性の乳房には、乳首が4つから6つある。 嵐をゾー・アル(ハヤカワ版ではズォ・アル)と呼び、恐れている。 主人公とオーティスを捕虜にした部族はノ・ヴァンで、族長はガ・ヴァ・ゴ。他にル・サンという部族が登場。 第2部の冒頭(2050年)では、オーティスとカルカール人に率いられ、地球侵攻の尖兵となった。以後は登場しない。 ウ・ガ 「月のプリンセス」こと、ナー・イー・ラーの種族。地球人と大差ない外見を持つ(交配も可能)。 ヴァ・ガと同じ言語を使用できる。 取り外し可能な翼を開発しており、翼とバックパック(に詰めた、空気よりも軽い気体)を使用することで飛行が可能。 都市のひとつにレイス市があるが、文明が残っているのはレイスのみ、とナー・イー・ラーは見ている。 レイスには、皇帝(ジェマダール。ハヤカワ版ではジェマダル)が君臨している(ナー・イー・ラーの父、サグロス)。 元は月の表面に居住していた、という伝説がある。 かつては月の内部を10の地域に分割し、それぞれに皇帝を置いていた。陸に電車、海には船、空には飛行船が航行し、電信も発達していたが、カルカール人により破壊された。レイスには、その残滓が残されているだけで、再建する余力はない。 帝位を狙うコ・ター大公(ジャヴァダール)の裏切りにより、レイス市と共にウ・ガは滅びる(ナー・イー・ラーが、確認できる唯一の生存者)。 ロマノフ王朝を象徴する存在と思われる。 カルカール人 ハヤカワ版ではカルカル人。もう1種類の月人。詳細は次節を参照。
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