日本語処理の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 03:57 UTC 版)
「ワードプロセッサ」の記事における「日本語処理の問題」の解説
文章を入力し、活字で印字するシステムとして、欧文を用いる地域ではタイプライターが利用されていた。日本語ではアルファベットだけでなくかなや漢字も使うため、欧文タイプライターのように個別のキーの押下が印字ヘッドの運動に変換される機構では文字数が大幅に不足していた。日本語用の和文タイプライターも存在したが、1000以上の文字が並んだ盤面から目的の文字をひとつずつ検索して拾い上げる必要があり、操作方法が煩雑で熟練技能を必要とした。 日本では技術的発展と市場への普及時期の関係から、ワープロ専用機の時代を経てパソコンでのワープロソフトの利用へと移行する経過を経た。このため装置としてワープロと称する場合には前者のワープロ専用機を指すことが多い。一方欧米諸国ではアルファベット文字を使用しタイプライターが普及していたためワープロ専用機の必要性が少なく、タイプライターからコンピュータのワープロソフトに短期間で移行したためワープロ専用機は普及しなかった。 20世紀半ばにコンピュータが発明され、小型化・低価格化が進む過程で、文章の作成への応用が行われた。ペン等を用いて記入するのに比べコンピュータでは修正、推敲が容易であること、また統一されたフォントによる正確性が利点となる。欧文圏では使用される文字が英数字に若干の記号を加えた程度で処理が可能なため、比較的容易にワードプロセッサが作られた。世界初のワードプロセッサは、1964年(昭和39年)のIBM MT/STで、その後もワング・ラボラトリーズ社などからいくつか英文ワープロ専用機が登場した。一方日本では、漢字入力の方式という非常に困難な課題の他にもアルファベットより複雑な字形の印刷という課題があったため、開発が困難であった。さらに、インターネットが普及していない時代であったために紙印刷する必要があり、印刷機の歴史もこれに追随することとなる。
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