日本国有鉄道(国鉄)の対策
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「帰省ラッシュ」の記事における「日本国有鉄道(国鉄)の対策」の解説
2010年代よりも旅客輸送のシェアが高かった日本国有鉄道(国鉄)では、1960年代から1970年代前半の帰省ラッシュ時に以下の対策を行っていた。当時は新幹線や高速道路、航空路線といった高速交通網の整備やマイカーの普及がまだ進んでいなかったこともあって、帰省客輸送は国鉄の在来線が多くを担っていた。 優等列車の始発駅の変更(上野発を品川発に、大阪発を新大阪発や京都発に変更)。東京駅の容量不足のため、東海道本線の臨時列車も品川発で運行。 普通列車の始発駅の変更(上野駅始発を大宮や松戸発に、東京駅始発を品川や横浜発に、新宿駅始発を高尾発に変更)。 混雑時間帯に上野駅や東京駅に到着する列車の到着駅の変更(上野行きを大宮行きまたは赤羽行き・日暮里行きに、東京行きを品川行きに変更。普通列車のほか、急行列車も対象)。 指定席車・自由席車の両数の変更(一部の在来線昼行特急列車を全車指定席とする。逆に東海道新幹線「こだま」や多くの急行列車の普通車は自由席を増やす)。 急行列車の始発駅において、「発駅着席券」(一部はワッペン形状のものもあった)を発売。 指定券の発売区間や発売枚数を制限する(長距離列車で遠距離区間のみ指定券を発売)。 寝台車や食堂車を普通自由席車に置き換える。 主要駅にはテントなどを使用した待ち合わせ場所の設定。 そのほか、全国各地から予備車や有休車をかき集めて活用し、保有車両を極限まで使用した臨時列車の運行が行われた。予め旅客列車のダイヤとして設定されていた季節列車や予定臨時列車だけでなく、お盆や年末年始の期間は貨物列車の運行本数も減少するため、その貨物列車のダイヤを臨時旅客列車に転用する形でも行われた。都心のターミナル駅を発車する夜行列車は午前1時台発まで各種列車が10分ないし15分の間隔で設定されたほか、急行「あおもり」(1968年から1973年まで、名古屋駅〈または浜松駅・静岡駅〉から青森駅までを、東海道本線 - 東京駅 - 上野駅 - 東北本線または常磐線経由で運行)のような、通常は運行されない経路での列車も運行された。「上野東京ライン」も参照。
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