日本国有鉄道が定めた安全綱領
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「運転安全規範」の記事における「日本国有鉄道が定めた安全綱領」の解説
一般準則10か条を要約したものであり、日本国有鉄道(国鉄)ではこれがそのまま掲げられていた。田川正則によれば、太平洋戦争終戦後、劣悪な設備で多くの輸送需要に応えた国鉄では、事故が多発した際、GHQより、「従事員の適否を確認し、且つ規程の厳守を常に知らしめること」(1949年4月8日)という勧告がなされた。また、1951年には桜木町事故も発生した。これらを契機に運転適性検査の導入と並行して同年7月2日、運輸省令第55号として「運転の安全の確保に関する省令」が定められ、安全綱領がそこに明記された。なお、安全綱領は国鉄では総裁達として全職員が対象であった。 安全は輸送業務の最大の使命である。 安全の確保は規程の遵守及び執務の厳正から始まり不断の修練によって築き上げられる。 確認の励行と連絡の徹底は安全の確保に最も大切である。 安全の確保のためには職責をこえて一致協力しなければならない。 疑わしい時は手落ちなく考えて最も安全と認められるみちを採らなければならない。 JR東日本の場合は、「疑わしい時はあわてず、自ら考えて、最も安全と認められるみちを採らなければならない」 JR九州の場合は、「判断に迷った時は、最も安全と考えた行動をとらなければならない。」 かつて、『交通新聞』では一面題字の下に「日本国有鉄道安全綱領」としてこの綱領が書かれていたが、1970年代半ばのデザイン刷新の際に取り止められた。 北海道旅客鉄道(JR北海道)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、四国旅客鉄道(JR四国)、九州旅客鉄道(JR九州)のように現在は多くのJR旅客鉄道が国鉄時代の綱領を採用している。なお、JR東日本、JR九州では一部の文章が修正されている。 また、JRグループであるJRバス各社においても採用されている。 鉄道関係以外の企業でも国鉄に倣って採用する会社がある。「輸送」を「航空」に変えた変則版を採用するケースもある。
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