日本のイスラム社会の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 00:41 UTC 版)
「日本のイスラム社会」の記事における「日本のイスラム社会の特徴」の解説
日本以外の、アジアの非イスラム教国の多くは、国内に自国民のイスラム教徒の集団を抱えている。東南アジアやインドではイスラム王朝の支配を経験したこともあるため、当時の支配層や商人の子孫が現地人と混血、同化した形でイスラム教徒として社会の一部を形成している例もある。 台湾に関しても、中国大陸から移住した回族によるイスラム教コミュニティが存在している。しかし、日本列島は直接イスラム圏と接しておらず、イスラム王朝からの支配を受けたことも無かったため、自国民のイスラム教徒は極めて少数である。 日本のイスラム教徒の大半は外国人であるため、選挙権を持つ者は非常に少ない。そのためイスラム教徒の移民を多く抱える西欧各国とは異なり、イスラム教徒による社会問題や政治活動等は日本国内において大きな問題とはなっていない。 現在、日本国内で行われる、イスラム教徒の礼拝や集会における説教は日本語ではほとんど行われることがない。英語、もしくは、ウルドゥー語、タミル語、インドネシア語、トルコ語などのイスラム教徒の出身国の使用言語がそのまま使用されている。クルアーンに則り、知識層ではアラビア語もよく使われる。 2013年7月より、日本は東南アジア諸国のビザを緩和したため、訪日外国人旅行客が急増している。ムスリムの多いマレーシアやインドネシアからの観光客も増えているが、日本国内にはまだムスリムの生活に適合した施設が少ないため、観光客に不便を強いることがある。これら外国人に対応するため、ムスリムやイスラム教に関する勉強会が各地で開かれるようになっている。イスラム式の礼拝堂の設置も増えてきている。イスラム教徒の留学生も増えており、一部の大学ではハラールに適合したメニューを学生食堂に加えたり、礼拝の場を設けるなどの対策を行っている。全国大学生協連合会によると、2014年時点で、少なくとも日本の19の大学で、ハラール食が提供されているという。 また、日本に定住するムスリムが増えるに従い、墓地の問題が出てきている。ムスリムは基本的に土葬であるが、日本では大半が火葬であるため、土葬に反対意見を唱える者も多い。
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