日本におけるエスカレーター
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「エスカレーター」の記事における「日本におけるエスカレーター」の解説
日本では、1914年(大正3年)3月に開催された東京大正博覧会において、初めて設置された。上野の山に設けられた博覧会第一会場の正門から第二会場の池之端までの連絡路として設置され、長さ約240mであった。途中は鉄橋状となり、上野東照宮の桜並木を見下せ、乗るのを怖がる者もあったが、1人10銭と有料だったのもかかわらず盛況だった。発動機は池之端側が高さ約9m、30馬力で、上野側が高さ6m、25馬力のものが設置され、最大輸送力は毎分80人、昇降合わせて毎分160人とされた。また、第二会場に建つ鉱山大模型館の中には約15mのエスカレーターが設置され、不忍池を展望できた。 また同年9月15日には、三越日本橋店の新館に常設のエスカレーターが完成。同年10月1日のオープンに合わせて使用が開始された。日本の百貨店へのエスカレーター普及期にあっては、エスカレーターの脇にエスカレーターガールという女性が立って乗り込みの案内をしていたことがあった。 現代では広く普及し、日本エレベーター協会会員企業がメンテナンス契約をしている国内のエレベーターは7万246基ある(2021年3月時点)。 日本で最も長いエスカレーターは、香川県丸亀市にあるニューレオマワールドのエスカレーター「マジックストロー」が高低差42m・全長96mで、日本一となっている。なお、和歌山県那智勝浦町のホテル浦島の3基乗継ぎのエスカレーター「スペースウオーカー」は、高低差約80m(地上1階から32階まで)、全長154m。広島市南区段原にある車椅子も乗車可能な比治山スカイウォーク(ひじやまスカイウォーク)は、動く歩道:77mまでいれると総延長:207.4m、高低差:37.5m。 最も短いエスカレーターは、川崎市のJR川崎駅前の地下街アゼリアと川崎岡田屋モアーズ地下2階を結ぶエスカレーター「プチカレーター」(アゼリアはモアーズの地下1階と地下2階の間に接する)で、ステップ5段分しかなく、高低差83.4cm。1991年度版ギネスブックに掲載されている。 通行料を徴収するものもわずかに存在する。日本初の屋外エスカレーターとして1959年に開業した神奈川県藤沢市江ノ島の「江の島エスカー」、福島県会津若松市にある「飯盛山スロープコンベア」、徳島県鳴門市にある「エスカヒル・鳴門」内のエスカレーターがある。 エスカヒル鳴門 ホテル浦島の「スペースウォーカー」(一段目) 川崎モアーズにある世界一短いエスカレーター 踊場のあるエスカレーター(神戸モザイク) ランドマークプラザにある曲線型エスカレーター(写真下) 直線型エスカレーターと階段が併設されているスーパー 途中から動く歩道となるエスカレーター(京阪出町柳駅) カートの侵入を防ぐポールが設置された、関西国際空港のエスカレーター
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