摩擦係数とは? わかりやすく解説

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摩擦係数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 01:23 UTC 版)

摩擦」の記事における「摩擦係数」の解説

摩擦係数とは垂直抗力対す摩擦力の比で定義される無次元量で、多く場合ギリシャ文字 μ で表される。摩擦係数は物質組み合わせによってゼロに近い値から1を超える値にまでなる。摩擦係数の項を初め導入し、その使い方示したのはアーサー・モリンである。摩擦係数が結び付ける二つ物理量どちらも力で同一次元を持つので,本来は摩擦因子(英: friction factor)と呼称するのがよいが,日本国においては慣習的に摩擦係数との語が用いられている。 静止摩擦係数動摩擦係数どちらも接触している物質組み合わせ依存する。たとえば、鋼の上置かれた氷は摩擦係数が小さく舗装道路の上置かれゴムは摩擦係数が大きい。金属同士接触では、異種金属よりも性質似た金属の組み合わせの方が大きい摩擦係数を持つという原則がある。つまり、真鍮を鋼やアルミニウムとこすり合わせるより、真鍮どうしをこすり合わせる方が摩擦係数は大きくなる互いに静止している接触面についての静止摩擦係数は、ほとんどの場合、同じ接触面が互いに滑っている場合動摩擦係数よりも大きい。しかし、テフロンどうしの組み合わせのように静止摩擦係数動摩擦係数に差がない場合もある。 乾いた物質組み合わせでは、摩擦係数はほとんどの場合0.3から0.6までの値になる。この範囲超える値は希少だが、たとえばテフロンは0.04という低い値を持ちうる。摩擦係数が0となるのは摩擦が全くはたらかない場合であって現実には考えにくい。摩擦係数が1より大きくなることはないという主張がしばしば見られるが、正しくない。1を超える摩擦係数は、単に物体滑らせるのに必要な力が接触面にはたらく垂直抗力より大きいということ意味するに過ぎない現実的には μ < 1 {\displaystyle \mu <1} となる場合がほとんどだが、たとえばゴムとほかの物質との間の摩擦係数は1から2の値を取りうる。シリコーンゴムアクリルゴムコーティングした面の摩擦係数は1よりはるかに大きくなる。 摩擦係数は単純な物性値というより、系全体特性考える方が実際に近い。真の物性値伝導率誘電率降伏強さなど)が物質の種類だけで決まるのに対し、摩擦係数は温度湿度滑り速度雰囲気待機時間など、系に特有の変数依存する:12-14。また物質界面の形状的な特性、すなわち表面粗さ影響も受ける。たとえば、や氷のような融点が低い物質滑り摩擦では摩擦熱大きな役割を果たす氷上高速で滑ると接触部で融解起き潤滑剤となって摩擦係数は0.1下になるが、低速界面圧力も低い場合には摩擦係数は 0.6 - 0.8 にまで高くなりうる。ロケットスレッド銃砲身などでは、金属界面でさえ融解起きる。したがって摩擦特性について一般則を見出すのは困難である。摩擦によって表面構造ダイナミックに変化する場合従来表面科学的な解析を行うことも困難であった。しかし、近年では摩擦現象その場観察の手法が進歩しつつある。 静止摩擦係数物体変形特性表面粗さによって決まるが、その起源たどればそれぞれの物体内部表面原子、あるいは吸着分子の間にはたらく化学結合である。静止摩擦大きさ決め上で物体表面フラクタル性、すなわちアスペリティスケーリング挙動記述するパラメータ重要な役割を持つことも知られている。

※この「摩擦係数」の解説は、「摩擦」の解説の一部です。
「摩擦係数」を含む「摩擦」の記事については、「摩擦」の概要を参照ください。

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