摩擦特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:18 UTC 版)
ポリマーの摩擦特性は粘弾性の特性に依存する。アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)の一面をガラス面と摩擦接触させ、各温度で 1.0×10-4-1.0cm/s の範囲で滑り速度を変えて動摩擦係数 μ を測定すると、滑り速度の常用対数 log V と μ の関数は特徴的な曲線を示す。log V の増加に伴い μ は、20 °C 以上で増加し、0 °C 以下で減少する。5–10 °C では正の極大点がある。 ここで、横軸を log V で左を減少、右を増加方向とし、縦軸を μ で下を減少、上を増加方向とする。20 °C での曲線を基準として、それより高温での曲線を左へ、低温での曲線を右へ横軸に平行移動させると、1本の合成曲線が得られる。このときの横軸に沿う移動量は基準温度の関数としてWLF式に従う。同様の結果は天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、およびそれらのカーボンブラック充填ゴムでも成り立つ。また、この合成曲線でガラス転移点をほぼ確実に予測することができる。
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