成立を阻害する要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 01:25 UTC 版)
三槓子の出現頻度の低さには、以下のように様々な要因がある。ルール上の要因であったり、押し引きに関わる要因であったりするが、そのすべてが三槓子の成立を難しくしている。 そもそも同一牌4枚を一人で3組も確保すること自体が確率的に難しい。比較的確率の高い明槓でも、暗刻がある状況で他家から4枚目が出る(大明槓)か、明刻がある(ポンしている)状況で4枚目をツモってくる(加槓)必要がある。つまり、それぞれ4枚のうち3枚は自力で確保しなければならないため、三暗刻よりも遥かに難易度が高い役である。 そもそも槓はメリットよりもデメリットが上回る場合があり、戦術上必ずしも積極的にされる行為ではない。特にドラの増加については、三槓子の場合にその中に明槓が含まれていると、門前の他家のみに槓裏を3つ増やすというリスクが伴う。槓#メリットとデメリットも参照。 たとえ2つ槓をしていたとしても、三槓子になる前にあがってしまうケースがほとんどである。3回目の槓の直前には2つの槓子と1つの刻子を持っているはずで、この時点で既に3面子完成しておりテンパイしている可能性が高い。3回目の槓のための残り1枚よりも、和了牌を入手する方が早い可能性が高い。 そもそも槓は1局の間に全員合わせて4回までしかできないため、他家が合わせて2回槓をしてしまえばその時点で自分が3回槓を行うことは不可能になる。また、4回槓があった時点で四開槓による流局となるルールでは、たとえ自分が3回槓ができたとしても、他家があと1回槓をすることにより容易に阻止されてしまう。さらには、3つ目の槓をする前に他家が槓をした場合、三槓子をあがるチャンスは3つ目の槓による嶺上牌のツモの一度きりになってしまう(嶺上牌の処理を行わずに流局となるルールでは他人の槓が1つでもあったら成立しない)。101競技連盟の競技規定のように槓の回数制限がないルールでは3回の槓さえできれば十分狙えるが、それも前述の通り難しい。 3つ槓子を晒した時点で四槓子の可能性が出てくるため、他家に非常に警戒される。一方で手牌が4枚だけになるので、他家に手の内を看破されやすくなる。 大量の槓ドラが発生するため、新ドラを得た他家が積極的にあがりにくる、あるいはそれを恐れた他家が早あがりする。結果、三槓子の者があがれない。 このように、成立を阻害する要因が非常に多い。ただでさえ槓にはリスクがあり、狙える状況も極めて限定されているので、プレイヤーがそもそも手作りにおいて三槓子を想定しないことも多く、成立には強く偶然に依る所がある。 一方で、通常ではほぼ考慮されない役という性質から、麻雀を題材にしたフィクションでは役無しが想定される鳴きから加槓等で三槓子を成立させ、意表を突く打ち回しを実現する為に用いられることもある。
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