思想・著作
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テルトゥリアヌスの影響を大きく受けているとされる。 独創的思想家としてではなく実践的な教会指導において優れていると評価されるが、幾つかの著作は高い神学的価値があると評される。主著に『カトリック教会の一致について(wikidata、イタリア語版)』 (ラテン語: De ecclesiae catholicae unitate、251年) がある。 書簡において、教会の外に救いなし(ラテン語: Sallus extra ecclesiam non est)と主張。これは、一定の正典、教理、組織をもったカトリック教会が神の恵みの機関であり真の教会であるとする思想を背景とする(キプリアヌスをローマ・カトリック教会と同じく崇敬する正教会も、自身の教会を「カトリック」であるとしている。記事「カトリック (概念)」参照)。 また教会の基礎は司教(主教)にあり、全ての教会の司教が「一つの司教職(主教職)(ラテン語: episcopatus unus)」に属していることが教会の一致と公同性を保証するとした。分派・異端による洗礼は教会の祝福から外れているとした。 教会における監督制を否定する立場から、キプリアヌスが教会政治に変革を行い監督制を創始したとされる主張があるが、当時激しい迫害下(3世紀前半)にあって、致命(殉教)したキプリアヌスも同調者たちも不当な権力を求めるようなタイプの人間ではなかったこと(そもそも迫害下で不当な権力を求めることも不可能)、および、当時起こっていた異端とされるグループは主流派教会内で教えに背くようなことがもし行われれば格好の攻撃対象としていたはずであるが、そうした形跡はみられないことを指摘して、聖職者制度の起源をキプリアヌスの主張に帰す見解を正教会は否定する。 なお、ローマ教皇をペテロの後継とするローマ・カトリックの教皇首位説に対し、正教会側は、全ての主教は自分の教会および他の全ての教会においてペテロの座にあるとするキプリアヌスの考えを引用し、教皇首位説への反駁とすることがある。
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思想・著作
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「ピエール・アベラール」の記事における「思想・著作」の解説
アベラールは普遍論争では唯名論者に位置づけられる。普遍論争はもともと普遍は実在するか(実在論)、名目だけのものか(唯名論)を巡って行われたもので、普遍は実在しないとする唯名論を突き詰めてゆけば、教会(カトリック=普遍)、ひいては神を否定する思想にもつながりかねない。アベラールの三位一体論の思想は異端視されたが、唯名論としては折衷的、穏健なものであり、神の意志の中に普遍は存在するとしていた。アベラールの思想はやがてスコラ学の基礎となり、トマス・アクィナス(実在論者とされる)により大成された。 アベラールの主な著作は以下のようなものである。 『然りと否』 『哲学者、ユダヤ人、キリスト教徒の対話』
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