徹夜組の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 00:17 UTC 版)
「コミックマーケットが抱える問題」の記事における「徹夜組の問題点」の解説
準備会はコミックマーケットカタログ上などで、徹夜行為は会場の借り上げを困難にし、コミケットの開催継続、つまりはイベント自体の存続を危うくさせる行為であるとして危機感を強く露にしており、毎回のように徹夜行為への自制を促している。会場が借りられなくなる理由として準備会では以下のようなものを挙げている。 「徹夜組」の中には未成年者が多数含まれており、東京都青少年の健全な育成に関する条例により深夜徘徊とされ補導対象になる。 周辺の不良や暴走族、あるいは手癖の悪い徹夜参加者による窃盗・恐喝などの「徹夜組」を標的にした犯罪がたびたび発生しており、警察からも毎回厳重な注意を受けている。 深夜の周辺の建物・敷地への進入、芝生や看板などの設置物の破壊、ゴミの散乱について各所からクレームを受けている。コミックマーケット71では、会場近隣のホテルテナントの案内看板を深夜来場者が損壊させる事件が発生した。 いずれにしても、翌朝開始のイベントへの入場待機を目的にした徹夜行為が数千人規模で繰り広げられるイベントはコミケット以外に存在せず、「徹夜組」の数の多さそれ自体が運営にとって重大な脅威かつ負担となっている。また、コミケットほどの巨大なイベントを受け入れられる施設は東京ビッグサイト以外にはなく、ここが使用できなくなるとコミケットそのものの存続に関わることになる。 C99では、新型コロナウィルス感染症拡大防止対策および徹夜組排除の観点から、フリー入場の中止および入場時間のランダム化を実施することとなった。 また、これらの徹夜問題の対策として、開催日前日の夕方から最終日当日の朝まで夜通しでスタッフや警備会社を大規模に動員しての警備活動などを実施せねばならず、これだけでも莫大な費用や人的負担が発生する。また、準備会が徹夜を認めていない以上、直接徹夜組を管理する立場にはないものの、警察の強い指導によりやって来てしまった徹夜組を収容せざるを得ない状況である。さらに徹夜組のトラブルを防止するために、夜間に多数の警備員を巡回させて深夜来場者を収容場所に誘導している。その諸経費は主催者を通じて実質的にサークル参加者や企業参加者が負担する形となっており、徹夜組が「一方的にサークル参加者や企業参加者に負担を強いる」行為であることを準備会は示唆している。 この様なコミケット会場周辺で起こされている直接の問題や主催者が負わされる過剰な負担以外にも、電子掲示板やSNSなどのインターネット上のコミュニケーションの場において、「徹夜組」常習者が同じコミュニティ内のコミケット参加者に対して徹夜行為を勧誘するなどといったことも起きており、これも当事者たちの間でモラルを巡ったトラブルとなり問題視されることがある。 加えて、こうした「徹夜組」常習者の中にはグループで徹夜・深夜来場行為を行い、徹夜・深夜来場行為を率先して指導・先導する者も複数おり(俗に『仕切りたがり』などと呼ばれている)、先導者として振舞っているうちに身勝手な正義感やプライドが芽生え、正規のコミケットスタッフや警備員の指示と異なる独自の行動をとったり、「お前たちに代わって自分たちが徹夜組を管理してやっているんだ」などといった理屈を振りかざして徹夜・深夜来場行為を正当化しようとする者もいる。また、複数の「仕切りたがり」たちが深夜に各自で勝手に待機列や待機集団を形成した挙句「どちらが先に入場するか」で仕切りたがり同士で揉めたり、あるいは自らが形成した待機列が肥大化しすぎて制御しきれなくなり、管理を放棄して逃走したり、スタッフや警備員に丸投げするなどの問題も発生している。
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