徳性・性状の「名前」とは? わかりやすく解説

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徳性・性状の「名前」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 09:33 UTC 版)

クラテュロス (対話篇)」の記事における「徳性・性状の「名前」」の解説

続いてヘルモゲネス様々な徳性名前の説明求められソクラテスは、再度、昔の命名者たちは、ヘラクレイトス万物流動説と同じように、事物動き流れ生成するものだと考えていたことを指摘しつつ、以下のように説明していく。 「プロネーシス」(phronēsis思慮)という名前は、運動流動覚知(phorās kai rhou noēsis)、あるいは、運動の利用(phorās onēsis)から 「グノーメー」(gnōmē、認識)という名前は、生成の(gonēs)考察、すなわち思い巡らすこと(nōmēsis)から 「ノエーシス」(noēsis覚知)という名前は、新しいものの希求(neou hesis)から 「ソープロシュネー」(sōphrosynē、節制思慮健全さ))という名前は、思慮(phronēsis)の保存(sōtēria)から 「エピステーメー」(epistēmē、知識)という名前は、運動している事物に魂がついて行く(hepomenē)ことから 「シュネシス」(synesis、理解)という名前は、推理(syllogismos)と同じく一つ集める」の意から、あるいは、知識(epistēmē)と同じく「共に行く」(=理解する、synienai)の意から 「ソピア」(sophia知恵)という名前は、急速な速い運動との接触把握(epaphē)から 「アガトン」(agathon、善)という名前は、嘆賞値する速いもの(agaston thoon)から 「ディカイオシュネー」(dikaiosynē、正義)という名前は、正しいものの理解(dikaiou synesis)からであり、さらに、その正しいもの(dikaion)という語は、万物貫通しつつ(diaion)養育するものの意から 「アディキア」(adikia、不正義)という名前は、貫通者(diaion)としての正義流れ妨害する意から 「アンドレイア」(andreia、勇気)という名前は、正しいもの(dikaion)に反した流れ逆らって戦闘することを意味しており、反対方向への流れ(anreia)から 「テクネー」(technē、技術)という名前は、心得nous)を持つこと(hexis)を合成して綴り改造したもの 「メーカネー」(mēchanē、工夫)という名前は、「広範囲達成する」の意であり、長さ(mēkos)と達成する(anein)の合成から 「カキア」(kakia、悪徳)という名前は、事物流れ行く中で、悪く行くもの(kakōs ion)の意 「デイリア」(deilia、臆病)という名前は、魂を縛るあまりにも強い絆(desmos ho lian)から 「アレテー」(aretē、徳性)という名前は、邪魔・妨害なく常に(aei流動しつつあるもの(rheon)から、あるいは、選択されるべき(hairetē)価値ある状態だから 「カコン」(kakon、悪い)という名前は、推し測るのが難しいので、外国語起源 「アイスクロン」(aischron、醜い)という名前は、常に流動引き止めるもの(aei ischon ton rhoun)から 「カロン」(kalon、美しい)という名前は、理性美しさ表したものであり、理性能力1つである「名前を定める(命名する能力」に因み事物名付けたもの(kalesan)、名付けているもの(kaloun)から 「シュンペロン」(sympheron、ためになる)という名前は、知識(epistēmē)と同様に、共にぐるりと運動する(symperipheresthai)から 「ケルダレオン」(kerdaleon、得な)という名前は、徳・利益(kerdos)から来ており、これは善(agathon)が全てのものの中を通り抜けて進みながら、全てのものに交じっている(kerannytai)から 「リュシテロウン」(lysiteloun、引き合う利益ある)という名前は、善が事物運動の終止telos)から解放するもの(lyon)なので 「オーペリモン」(ōpherimon、有用な)という名前は、増す(ophellein)から 「ブラベロン」(blaberon、有害な)という名前は、流動ゆわえよう(縛ろう)と欲するもの(boulomenon haptein rhoun)から 「デオン」(deon、なすべき・義務的)という名前は、縛る(dein)から派生しているように感じられ有害な(blaberon)と同類捉えられがちだが、昔の本来の綴りは、間を通り抜けていくもの(dion)であり、善(agathon)を意味している 「ゼーミオーデス」(zēmiōdes損な)という名前は、流れ行くものを束縛するもの(doun to ion)の合成である「dēmiōdes」の綴り変えたもの 「ヘードネー」(hēdonē、快)という名前は、味わい楽しむこと(onēsis)に帰着する活動(hē praxis)から 「リュペー」(lypē、苦痛)という名前は、この状態にある肉体こうむる分解dialysis)から 「アニア」(ania悲しみ)という名前は、行く(ienai)のを妨げるものなので、これに否定接頭辞「an-」を付けたもの 「アルゲードーン」(algēdōn、痛み)という名前は、イオニア方言の痛い(algeinon)から 「オデュネー」(odynē、苦しみ)という名前は、苦痛深く入り込むこと(endysis)から 「アクテードーン」(achthēdōn、悩み)という名前は、運動妨げ荷物(achthos)から 「カラ」(chara喜び)という名前は、魂の流動rhoē)が四方八方にゆったり注ぐこと(diachysis)から 「テルプシス」(terpsis、心地よさ)という名前は、心地よい(terpnon)からで、これは心地よいものが魂を通って這って行くこと(herpsis)から 「エウプロシュネー」(euphrosynē、愉快)という名前は、魂が事物にうまく(euくっついて運動する(sympheresthai)ことから 「エピテュミア」(epithymia欲求)という名前は、猛り(奮起)の方向に進む(epi ton thymon iousa)から 「ヒメロス」(himeros、欲望)という名前は、魂を流動への希求(hesis tēs rhoēs)によって強く引きつけることから 「ポトス」(pothosあこがれ惜しさ)という名前は、ある所に(pothi)有ってここには無いことから 「エロース」(erōs、恋)という名前は、流れ外部から目を通して流れ込む(esrhein)から 「ドクサ」(doxa思いなし)という名前は、追い求めdiōxis)から、あるいは、(魂が事物向かって矢のよう飛んでいくこと(oisis)に由来する思い」(oiēsis)、射ること(bolē)に由来する意志」(boulē)、射ること(bolē)を狙うこと(ephiesthai)に由来する意思する」(boulesthai)/「熟考する」(bouleuesthai)と類似的に)弓(toxon)から 「ヘコウシオン」(hekousion、随意の)という名前は、行くもの(魂)に譲歩する(eikon....ionti)から 「アナンカイオン」(anankaion、強制的な)という名前は、谷間ankē)に沿ってana)行くもの(ion)から

※この「徳性・性状の「名前」」の解説は、「クラテュロス (対話篇)」の解説の一部です。
「徳性・性状の「名前」」を含む「クラテュロス (対話篇)」の記事については、「クラテュロス (対話篇)」の概要を参照ください。

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