徳利とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 道具 > 徳利 > 徳利の意味・解説 

とく‐り【徳利】

読み方:とくり

酒などを入れ陶製金属製などの、口の細い容器銚子とっくり

水中入れると沈むところから泳げない者をあざけっていう語。かなづちとっくり


とっく‐り【徳利】

読み方:とっくり

「とくり(徳利)1」に同じ。「二合—」

徳利襟」の略。


徳利(とくり)

とっくり。『和訓栞(わんくんのしおり)』には曇具理(とくり)、『節用集登部食服門』には陶(とくり)、得利(とくり)とあるが、いずれも当て字で『和漢三才図会』によると「罌(とくり)は乃ち瓶の総名なり…小口罌を(つき)という。案ずるに罌(おうし)の和名、末だその拠を知らざるなり」とある。室町時代中期ごろからその名があり、酒のほか酢や醤油しょうゆ)用の容器にも使われた。沖縄では南京玉巻き付けた真鍮しんちゅう)製の小瓶玉貫(たまぬち))に泡盛入れて神に供えたというが、古来酒をつぐ容器としては錫(すず)製が正式で、陶磁製のものは日常用使われた。容量三升一合まで大小あり、『守貞漫稿によれば京阪合一升は(酒屋の)貸陶(かしとくり)なり」とあり、また「江戸五合或は一升とこの陶と並(なら)び用ふ 大小あり號(なづけ)て貧乏徳利という其謂(そのいわれ)を知らず 売貸とも同前」とある。一~二合陶磁製のものは、徳利で燗(かん)をする習慣普及した東海道中膝栗毛(1802~09年)』のころから発達したとされている。

徳利

読み方:とくり

  1. 水泳術に馴れざるものを罵る詞。入れば徳利の如くぶくぶくと沈むが為めなり。
  2. 水泳のできぬもののこと、水の中入れるとすぐをのんで沈むの意。
隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

徳利

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/16 20:51 UTC 版)

徳利(通徳利)
様々な徳利

徳利(とっくり、とくり)とは、日本酒などを入れて注ぐための首が細く下部が膨らんだ容器の一種。徳利を置くための受け皿は袴と呼ばれる。

概要

一合徳利とお猪口

酒を注ぐための徳利には酒をお供えするための神酒徳利と一般的な酒徳利がある[1]

平安時代には酒を注ぐための酒器として、胴部が丸く細くなった口をもつ壺状の瓶子(へいし)や鍋に注ぎ口(つぎぐち)を付けた鐺子(さしなべ)があった[2]。このうち瓶子は鎌倉時代から室町時代にかけて陶製の瀬戸焼のものや木製の根来塗のものが用いられたが、それは形態面で後世の陶器の徳利に受け継がれた[2]

一方、鐺子(さしなべ)は時代が下ると、本体に弦(つる)を付けた提子(ひさげ)と本体に長柄を付けた銚子(ちょうし)に分化したが、両方とも銚子(ちょうし)と称することが多かった[2](厳密には小さな鍋に長柄を付けたものが「銚子」、小さな鍋に弦をつけた土瓶型のものは「提子」と説かれる[3])。そこに江戸末期になって陶製の燗徳利が出現し、明治時代にはこの燗徳利も銚子と称されるようになった[1]。なお、陶製の徳利を「すず」と呼ぶことがあるのは、この徳利型の酒器が本来は製であったことに由来するとされる[2]

用途

徳利には酒を温めるための燗徳利と、酒などの小売や運搬に用いられた通い徳利(貸し徳利、貧乏徳利)がある[3]

燗徳利

燗徳利は使用法により、湯につけて用いる湯燗、直接火にかける直燗、囲炉裏の灰に差し込む焙り燗がある[3]。また、絵付けによって葡萄燗、海老徳利、栗徳利などの名称がある[3]。形態では、角徳利、傘徳利、茶筅形徳利、捩徳利、船徳利、蕪徳利、鎧徳利、らっきょう徳利、蝋燭徳利などがある[3]。また特殊なものに細工を施した猩々徳利や布袋徳利、水に浮くようにした浮き徳利がある[3]

19世紀初頭の黄表紙滑稽本には燗徳利は描かれておらず、天保年間になり瀧亭鯉丈らの『花暦八笑人』四編追加上之巻には燗徳利とみられる酒器が描かれ、同五編上之巻には屋形船で燗徳利とみられる酒器で湯燗する様子が描かれている[1]

小売用

酒屋が貸し出していた陶磁製の小売用容器は通い徳利と呼ばれ江戸時代中期に一般化した[4]。このように小売用に貸し出した陶磁器の容器は、通い徳利のほか、貧乏徳利や貸し徳利とも称された[3]

なお、江戸時代には酒だけでなく、醬油などの容器としても用いられた[1](醤油徳利、油徳利など)。蕎麦店などではそばつゆを徳利(蕎麦徳利)に入れて供することも多い。

文化

落語

徳利は落語にも多く登場し、備前徳利、御神酒徳利など、「徳利」の名を持つ演目も存在する。このように、かつて徳利は伝統的な液体容器として生活に密着した道具であった。

トックリコロガシ

大阪の被差別部落で行なわれていた婚姻習俗で、徳利を転がす婚約成立の儀礼[5]。仲人が娘の家に行って縁談を調えると、男側の仲間たちが簡単な酒肴を携えて娘の家へ行き、娘の親や親戚、仲人らと盃を交わし、飲み終わると、徳利(または一升瓶)を倒してころころと転がす[5]。これが済むと原則として破談にはできず、男は結婚式までの数か月、あるいは一年以上、公然と娘の家へ通って関係を持つことができる[5]。また、各地に死者の部屋で徳利をまわしたり、ザルを転がすザルコロガシの習俗がある[5]

同用途品

銚釐(ちろり)
京阪地方では、湯婆(タンポ)ともいう。
中国から伝わった酒を温めるのに用いる金属製の徳利[6]
イカ徳利
スルメイカを徳利状に形成乾燥させたものは「イカ徳利」と呼ばれ、酒器であると同時に、それ自体つまみとして食用となる。

脚注

  1. ^ a b c d 田中利雄「酒の燗と器の変遷 中世後期から近世にかけて」『日本醸造協会雑誌』第82巻第3号、公益財団法人 日本醸造協会、1987年、175-181頁。 
  2. ^ a b c d 加藤百一「万葉の古代と酒 (6)」『日本醸造協会誌』第100巻第7号、公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会、2005年、100-105頁。 
  3. ^ a b c d e f g 【用語解説】器の形”. 九州歴史資料館. 2024年3月16日閲覧。
  4. ^ 通い徳利 関ケ原町歴史民俗資料館
  5. ^ a b c d 婚姻儀礼とトシクリコロガシ『大阪の部落史通信』大阪の部落史委員会、1997年6月、p8
  6. ^ 銚釐

関連項目


徳利(とっくり、とくり)()

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/23 22:05 UTC 版)

酒器」の記事における「徳利(とっくり、とくり)()」の解説

今でも酒を注ぐのに用いられているが、近代入り、瓶売り一般化するまで、量り売り一般的で、酒屋は徳利に入れて酒を販売していた。販売用の徳利は個人所有ではなく酒屋貸し物であることが普通で、酒屋屋号大きく書かれていた。江戸時代以前上方と江戸では色が違っていた。上方では、五合あるいは一升が入る、茶色がかった陶器江戸では、ねずみ色陶器取っ手のついたであった

※この「徳利(とっくり、とくり)()」の解説は、「酒器」の解説の一部です。
「徳利(とっくり、とくり)()」を含む「酒器」の記事については、「酒器」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「徳利」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

徳利

出典:『Wiktionary』 (2021/10/10 12:23 UTC 版)

名詞

(とくり または とっくり)

  1. 主に入れる容器一つで、上部辺り括れ細い容器
  2. 泳げない人。

関連語


「徳利」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



徳利と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「徳利」の関連用語

徳利のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



徳利のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
本格焼酎と泡盛本格焼酎と泡盛
Copyright (C) 日本酒造組合中央会 2025.
皓星社皓星社
Copyright (C) 2025 株式会社皓星社 All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの徳利 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの酒器 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの徳利 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS