式神、妖怪など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 17:34 UTC 版)
ゴウザ 十蔵の体に宿る狗神。十蔵が呼びかけたときやゴウザの感情が昂ぶったときに表に現われる。どもった喋り方が特徴。十蔵のことをいたく気に入っており、狗神に憑依されている限り宿主は子供を作ることができないため、いずれ十蔵のために死んでやろうとさえ思っている。 元は2000年以上前に晴明(徐福)の護衛のために作られた狗神で、道満や尾咲とも関わり合いがある。平安時代以降は晴明の「好きに生きよ」という命令(裏を返せば「けして死んではならない」という呪い)に忠実に従い彷徨っていた。その後武蔵坊弁慶や柳生十兵衛に取り憑いていたこともあり、義経の遺髪を届けたのが縁で多々朗太の知己になる。犬の本性から誰かに仕えることを好み、情に篤くまた激しやすい。 多々朗太(たたろうた) 通称「神鴉の多々朗太」。十蔵の師匠に当たる烏天狗。なりは小さいが1000年以上を生きる長命で剣の腕もかなりのもの。陰陽師の登場により退魔師としての仕事を奪われてしまい、以後人間嫌いとなる。それでも気に入った人間に闇魔流剣術を授けることもあったが、あまりにも儚い人間の一生に心を痛め、人間と距離を置くようになってしまう。 狸庵に十蔵を紹介された際もまともに教えるつもりはなかったが、なかなか音を上げない十蔵に付き合っている内に師弟関係ができあがってしまった。 姉の小縷羽には「多ぁちゃん」と呼ばれ頭が上がらない。 小縷羽(おるう) 多々朗太の姉で同じく烏天狗だが見た目は幼児体型の少女。背中の羽も小さく空は飛べず、また泳ぎも苦手。しかし多々朗太を育て上げただけあり、熟睡しているにも関わらずザムザの気配を読み取り、眠ったまま木の枝を振るってザムザの腕を切り落とすという凄まじい技を見せた。 狸庵に頼まれ、葛葉の護衛(のついでに温泉巡り)の旅をしている。 玉尾(たまお) 尾咲の母で妖狐。幼い尾咲を連れ旅をしていたが、惚れた男を追って大陸へと渡る。 狸庵(まみあん) 八畳寺の住職。九曜家の後見人であり、葛葉と香奈瑚の面倒も見ていた。その正体は長命の古狸であり、平安時代の晴明とも知己。趣味は囲碁で多々朗太とは碁敵。 その立場から、金烏玉兎集裏三巻の在り処を探る道満に襲われる。異形へと変身させられてしまうが、多々朗太に救われ事なきを得る。 遮那王(しゃなおう) 多々朗太の一番弟子にして十蔵の兄弟子にあたる。遮那王は幼名で、後の名は源義経。多々朗太が形見として持っていた遺髪を元に、道満が生活続命法によって蘇らせる。しかし不完全な蘇生であったため中身は人とは呼べない状態で、多々朗太や十蔵の中のゴウザを見て嬉々として襲い掛かる。 ザムザ 「黒狗のザムザ」を名乗る狗神。人間の娘をさらって食おうとしていたところを運悪く十蔵に見つかり成敗される。宿主を身代わりにしてかろうじて生き延びた後は道満に拾われ、以降は何度も十蔵一行と対峙する。 実は人首丸を守るために晴明に作られた狗神。まだ子犬であった時は悪路と道満の兄弟に餌をもらって懐いていた時もあった。なぜか道満の式神である白丸に懐かれている。 かつては明智光秀に取り憑いたこともあり、気弱な光秀を唆して本能寺の変をひき起こしたのは自分であると自慢げに語っている。 人首丸(ひとかべまる) 晴明が彦丸に命じて作らせた鬼の人形。頭部には人間の遺体が用いられており、術をかけた猿轡を噛ませる事によってその魂を縛り付け、主の命令に忠実に従う自動人形としている。晴明が作った実験生物達の墓場を守るように配置され、近づく者を切り殺すように命令されていた。それと同時に自分の名前を呼んだ者に付き従うという命令も受けており、仕掛けを解いて人首丸の名前を呼んだ道満の従者となる。人形であるため「気」を読まれることはない上に腹を切られようと腕を落とされようと意に介さず、また人間には真似できない奇抜な動きで剣を振るう。さらに強い自己修復能力まで備える強敵。 その頭部には悪路の遺体が用いられており、猿轡が破壊されたことにより兄弟は800年ぶりに再会を果たす。その後は亡霊となって道満を守護した。 マサカズ 道満が作り出した河童。体を液体状に変化させることができる。外見は幼児程度の背丈だが、苦みばしった渋い表情をしている。香奈瑚の尻子玉を狙っている。 強い力は持たないが、要所要所に登場しては貴重な働きを見せる。
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