式場家編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:46 UTC 版)
第4話から第5話 座王の式場常務が帰宅したとたんに暴漢が彼を襲う。常務を送り届けた運転手が暴漢を取り押さえるが、それは隼であった。隼は自らが慕う姉の結婚の話を聞きつけて、独自に調査していた。だが、相手は大財閥の御曹司でありながら、容姿と財力と権力に物を言わせて女性を喰い漁る外道であった。その事に隼は激怒。縁談をまとめた父親をどうしても許せず、実家へと父を殴りに来た。隼の行動に家族は呆れかえるも「家の事情だから」と事を穏便に済ませる事を選択する。その家族の事なかれ主義もまた隼の神経を逆なでする。隼は姉の結婚相手の調査結果を叩きつけ「親父は自分の娘を売るのさ‼出世のためにねっ」と叫ぶが、家族を信じたい姉は、その言葉を拒絶しかできなかった。仕方なく隼はエランへと戻ろうとするが、その帰り道に事故を起こし、相手は妊婦で流産してしまった。悲しむものの「生まれてくるべきではない命だった」と涙ながらにあきらめる女性。隼が流産させてしまった女性は、姉の婚約者の愛人であり、妊娠していて流れてしまった子どもは「不義の子」であった。この事を知った娑羅は事故相手の女性にできる限りの補償を行うとともに、件の御曹司に激怒する。 式場家の騒動と前後して座王では「クーデター・プライス」の一件によって堂本が苦しい立場に置かれていた。一件によって被害を受けた他企業が経団連を通じて座王にプレッシャーをかけてきたのである。経団連からの苦情を盾に堂本に対して自重するように忠告する式場常務だったが、以前からその態度を目の上のタンコブとして苦々しく思っていた堂本は柳から受け取っていた式場常務が座王社員を守るために行っていたCOCOM違反の裏取引を経済産業省へリークしてしまう。結果、座王本社は大騒動となり、式場常務を含め会長以下上位重役の総退陣という結果となった。座王は「再発防止」の名目の元、国際関係担当部署の一掃と再編を迫られる。結果、重役の首が切られた部署を「部」から「課」へと格下げ縮小し、堂本がトップを務める「国際部」がその統括部所として監督する事となった。かくて堂本は座王の海外貿易の全てを一手に握る事となった。 式場常務が座王を去る、その日。全ての部下が去った式場のオフィスにやってきたのは、父に反発し続けていた隼だった。隼は法を犯してまで利益を追求したかったのかと父を責めるつもりだったが、逆に父は息子に自身もまた「人を守るために、人が幸せになるために」貿易の道を歩み続けていた事を伝える。そして「貿易とはクロスワードパズルのようなもの。タテやヨコのマス目を埋めて行って折り合いのつく言葉を探すのが大変」と語った。人の主義主張や欲望、人それぞれに違う「幸せ」の考え方をパズルのワードに例えた言葉に、隼は父の「苦悩」や貿易にかけていた「本当の願い」を悟る。だが、直後に父は脳梗塞を引き起こし帰らぬ人となってしまう。 父の葬儀の場に、やはり隼の姿は無かった。自身「最期をみとったのは自分だから」と納得し「親不孝のついで」と述べ、仕事にかかる前に「やるべき事がある」と述べる隼を娑羅は押しとどめ、隼の「やるべきこと」は自分に任せてエランの仕事にかかるように促す。隼はそれを受け入れ、父の志を胸に蘭とともに次の仕事へと赴く。
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