式外の能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 15:01 UTC 版)
切部(きりべ) - 「市切部(いちきりべ)」ともいう。最初に木花佐久夜姫(このはなさくやひめ)が登場して舞い、次いで建雷之神(たけいかずちのかみ)が登場、木花佐久夜姫は退場して、建雷之神が長胴太鼓を打ちながら戦の有様を語る。胴太鼓の曲打ちが見られる能であるため、盛り上がりを見せる演目でもある。 恵比須(えびす) - 当地では地理環境から漁業が盛んで、そこから漁業を司る恵比須神に対する信仰(特に美保神社への信仰)も起こり、信仰の対象である恵比須神を主役とする豊漁祈願の能として舞われている。恵比須神が「打杖」を竿に見立てて鯛を釣る所作を舞い、その後採物を扇に持ち替えて喜びの舞いを舞う。見物人との掛け合いが見られる点も島前神楽では珍しいものとなっている。 八重垣 - 素戔嗚尊の八衢の大蛇(やまたのおろち)退治に因んだ能。初めに榊を採物とした奇稲田姫と扇を採物とした翁(足名槌)が登場し、次いで「打杖」を採った素戔嗚尊が登場、素戔嗚尊と翁の掛け合いの後に紙垂をつけた榊を両手に採った八衢の大蛇が登場、素戔嗚尊に退治される。大蛇は蛇ではなく蜥蜴の容姿で、幕から出ずに中腰のまま舞う点が島前神楽の特徴である。 最後に神楽場に集まった神々を還す(昇神)「神戻し(かんもどし)」が奏されて神楽を終える。
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